新型コロナウイルスの感染が収まらない中、受験シーズンに入りました。受験生は、風邪・インフルエンザ対策も含めた感染予防に気をつかっていることでしょう。マスク、手洗い、生活習慣など、感染症にかからないために知っておくべき知識を内科医の建部雄氏先生に教えてもらい、掲載した記事をまとめて紹介します(詳細情報はリンクへ)。

手洗い・アルコール消毒の正しい方法 

手洗いのタイミングとしては、日常生活の中で必要であるとされる基本的な状況、すなわち、「食事直前」「トイレ利用後」「外出からの帰宅後・帰所後」がベストです。アルコール消毒をするタイミングとしては、手洗いのタイミングの状況に加えて、店頭の商品を触る前後、マスクを装着する前後、手すりやドアノブを触った後、荷物を受け取った後、スマホ操作やPC操作の前後が望ましいです。

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 新型コロナ、風邪、インフルエンザ…症状の違いと見分け方は?

三者の症状は似通っており、「発症してすぐの症状だけ」では判別がまずつきません。新型コロナウイルス感染症は無症状者・軽症者も存在します。少なくとも今しばらくは「風邪かな?」と思う症状があったらすぐに医療機関を受診し、少なくとも臨時応急処方と発熱の状態によってはインフルエンザ抗原迅速検査を受けておくのがよいでしょう。

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マスクの新型コロナ感染防止効果は?医療用・不織布・布・ウレタン…種類により差

実際の実験結果において、最も優秀だったのは特殊な医療用マスク(N95マスク)で99.9%、不織布マスク(サージカルマスク)は99%、飛沫粒子をブロックしていました。次いでそれ以外の布マスクやウレタンマスクなどは少し効果が落ち、80%前後の飛沫粒子をブロックしていて、どれもだいたい同じでした。大きく効果が落ちるのは、ニットマスク(毛糸で織ったマスク)で60%前後の飛沫粒子のブロック効果でとどまっています。次いで、バンダナマスクは飛沫を抑える効果がさらに落ち、50%前後の飛沫粒子のブロック効果で終わっています。

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新型コロナ感染を防ぐ免疫機能アップ術 ビタミン・ミネラル接種と睡眠時間確保を

まずは「バランスのとれた食生活・適度な運動や睡眠時間の確保」。自分自身の免疫システムの健全化に必要なことです。仮にウイルスをはじめとする病原性微生物が体内に侵入したとしても、免疫のシステムが健全ならば多くの場合、軽症のままで病原性微生物を退治することが可能です。睡眠不足により免疫システムが崩れ、ウイルス感染率が上昇する事実も明らかにされています。睡眠時間が7時間以上と5時間未満で比較すると、ウイルス感染率が2倍近く高くなるという報告もあります。日頃の睡眠の時間と、睡眠の質(要するに熟睡かどうか)が重要ともされています。

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受験生の試験直前期の新型コロナ対策 外出は極力避けて、食事は家の中で

試験1週間(直前期)から前日にかけて注意すべきなのは、いつもと同じ生活パターン+感染予防対策を欠かさないことが基本です。軽い運動などで家の外へ出歩く以外は、必要最小限の頻度で学校や塾・予備校に通う程度にとどめ、家の中で家族だけと一緒に食事をすることに努めることが望ましいです。

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受験会場での新型コロナ感染を防ぐポイント 昼食は1人で、アルコール消毒液持参を

1つ目は、同じ学校や予備校の受験生仲間同士での休み時間中の「答え合わせ問答」。短時間で数人が集まることで対人距離が狭まり、飛沫粒子を浴びてしまう可能性が高いと言えます。2つ目は昼食時。このときは受験生全員がマスクを取り外します。このときは確実に無防備となります。そのため、同じ学校や予備校の受験生仲間同士であっても、昼食時にお互いに隣あったり、向かい合ったりしてランチ会話をすることを避けてください。

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受験生の家庭が気を付けるべき感染予防 就寝中も温度18度以上、湿度40%以上を

体温調節機能も鈍っていて感染症に陥りやすいので、急激な室温・湿度の差を作らない環境作りが大切です。就寝中であっても、WHO(世界保健機関)が推奨している室温18度以上、湿度40%以上を目標とします。就寝時に暖房をすべてオフにすると、急激に低温・乾燥の環境になってしまうので、避けましょう。

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建部雄氏(たてべ・たけし)
医療法人社団聖仁会横浜甦生病院勤務。総合内科・一般内科が専門。京都市生まれ。2001年、昭和大学医学部卒業。大規模総合病院の救急科で経験を積み、急性期病院・クリニックの勤務を経て現職。