新型コロナウイルスの感染が収まらない中、受験シーズンに入りました。受験生は、風邪・インフルエンザ対策も含めた感染予防に気をつかっていることでしょう。感染予防にこまめな手洗いとアルコール消毒が推奨されています。効果的なアルコール消毒のタイミングと方法などを内科医の建部雄氏先生に教えてもらいました。

適切なタイミングで手洗いとアルコール消毒を

手洗いのタイミングとしては、日常生活の中で必要であるとされる基本的な状況、すなわち、「食事直前」「トイレ利用後」「外出からの帰宅後・帰所後」がベストです。

アルコール消毒をするタイミングとしては、手洗いのタイミングの状況に加えて、店頭の商品を触る前後、マスクを装着する前後、手すりやドアノブを触った後、荷物を受け取った後、スマホ操作やPC操作の前後が望ましいです。

このようなこまめな手洗い・アルコール消毒により手荒れになりやすいため、時折は保湿剤・ハンドケア剤を付けてこれを防ぐことをお勧めします。

アルコール消毒のつけ方は

アルコール消毒の効果的なつけ方として、特に決まった方法があるわけではないようですが、看護師さんたちが実践している方法をご紹介します。

①アルコール消毒の入った容器のポンプをワンプッシュし手に取ります。その量が1回あたりの手指消毒に必要な量です。

アルコール消毒液をワンプッシュ

②まず指先からアルコール消毒液に浸して擦り込みます。

指先からすり込もう

③次に手のひら→手の甲→指の間→最後に親指→手首の順で乾燥するまでアルコール消毒液を刷り込みます。

ここまで徹底しておけば、まず手にウイルスが付着してもこれをおおむね排除可能と考えられます。

エタノール濃度が60~95%のものを使って

個人的な意見ですが、よくスーパーマーケットや飲食店などに置いてあるアルコール消毒液は利用しない方がよく、その代わりに個人用の持ち運び用アルコール消毒液を準備・使用するほうがよいと思っています。

実際に見て確認いただければわかるのですが、スーパーマーケットや飲食店などに置いてあるアルコール消毒液のボトルを確認するとメーカー名もアルコール濃度も不明なものが圧倒的に多いのです。

手指消毒薬としてエタノールの殺菌効果を期待するなら濃度が重要で、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は60~95%のエタノールが最も効果的であり、これ以外の濃度では効き目が下がると伝えています。

 
 
 

 

建部雄氏(たてべ・たけし)
医療法人社団聖仁会横浜甦生病院勤務。総合内科・一般内科が専門。京都市生まれ。2001年、昭和大学医学部卒業。大規模総合病院の救急科で経験を積み、急性期病院・クリニックの勤務を経て現職。