世界の高校生が数学の難問を解いて競う第66回国際数学オリンピック(IMO2025)が7月10日から20日にオーストラリア・サンシャインコーストで開催され、日本代表として中高生6人が出場。金メダルを3人が、銀メダルを2人が、銅メダルを1人が獲得。代表の一人・狩野慧志さん(長野・松本深志高校3年)が1位に輝いた。文部科学省と数学オリンピック財団が7月22日、発表した。

高3の狩野さんが世界1位

今年は全参加者のうち、5人が全問正解で1位を獲得。うち一人は狩野慧志さん(長野・松本深志高校3年)だった。日本の高校生が1位を獲得したのは2022年以来、3年ぶり5人目の快挙だ。

狩野さんは高校1年次から代表に選ばれており、1年次には銀メダルを獲得。2年次には世界4位に輝き、金メダルを獲得している。昨年高校生新聞の取材に応じた際は「次こそは1位を取りたい」と語っており、見事目標を達成した。

世界各国から630人が参加

大会は大学教育を受けていない20歳未満の青少年が対象で、世界110カ国・地域の630人が参加。1日4時間半、各3問の筆記試験を2日間に渡り取り組み、その得点合計でメダルを競い合った。

金メダルは上位約12分の1に、銀メダルは続く約12分の2に、銅メダルは続く約12分の3に与えられる。日本は1990年から参加を開始し、毎年6名の選手を派遣している。今回の成績は次の通り(敬称略)。

日本代表の6人。左から伊勢戸さん、濵川さん、狩野さん、若杉さん、山本さん、安藤さん(数学オリンピック財団提供)​
  • 狩野慧志(かのう・さとし、長野・松本深志高校3年) 金メダル
  • 濵川慎次郎(はまかわ・しんじろう、鹿児島・ラ・サール高校2年) 金メダル
  • 山本一揮(やまもと・かずき、東京・筑波大学附属駒場高校2年) 金メダル
  • 若杉直音(わかすぎ・なおと、大阪・帝塚山学院泉ヶ丘高校3年) 銀メダル
  • 安藤匠吾(あんどう・しょうご、兵庫・灘高校1年) 銀メダル
  • 伊勢戸皓太(いせと・こうた、兵庫・灘中学校2年) 銅メダル

狩野さん以外の個人順位は濵川さん、山本さんが27位、若杉さんが100位、安藤さんが148位、伊勢戸さんが187位だった。

国別順位では、日本は中国、アメリカ、韓国に続く4位だった。第50回のドイツ大会に次ぐ、歴代2番目の高順位だった。

来年は中国で開催

2026年の第67回国際数学オリンピックは中国・上海で開催される予定。