第59回国際メンデレーエフ化学オリンピック(IMChO)に、日本から初めて高校生2人が参加し、銅メダルを獲得した。結果は以下の通り。

  • 中尾仁(なかお じん)さん(兵庫・灘高校3年)銅メダル
  • 米倉瑛翔(よねくら えいと)さん(神奈川・栄光学園高校3年)銅メダル
 
中尾さん(左)、米倉さん。二人とも銅メダルを獲得した(日本化学会提供)

IMChOは、1967年から続く高校生向けの国際化学大会だ。日本化学会によると、国際化学オリンピックよりも難しい問題が出題され、高校生の化学コンクールとしては最難問大会と位置付けられているという。今回は5月5日~13日の日程でブラジルで開催され、39カ国40チームが参加した。

筆記2日間、実験課題1日で競う

例年、筆記試験が2日間、実験課題試験1日で行われる。それぞれ80、70、80点の配分で総合成績が競われる。上位10%の生徒に金メダル、次の20%に銀メダル、その次の30%に銅メダルが授与される。

筆記第1試験の課題は、日本の高校の教育内容よりも高度な化学プログラムを教育する中等教育学校のカリキュラムと同等の難易度とされ、筆記第2試験の問題はさらに高度なレベルとされている。

筆記第2試験の課題は、無機化学、有機化学、分析化学、物理化学、生命化学と高分子化学(各セクション3問題)の5つのセクションに分かれ、生徒は各セクションから1つずつ計5つの問題を解く幅広い化学知識を持ち、使いこなす力が求められる試験だ。

実験課題試験は、指定された化学分析や合成を行う実験スキルに加え、結果を化学的に深く考察する力が求められる。