世界の高校生が物理の難問を解いて競う第55回国際物理オリンピック(IPhO2025)が7月、フランスで開催され、日本代表の高校生5人が参加。金メダルを3人が、銀メダルを2人が獲得した。8月25日、赤松健文部科学大臣政務官に表敬訪問を行った。(文・写真 椎木里咲)

金3、銀2

国際物理オリンピックは、大学などの教育を受けていない20歳未満が対象。今年はフランス・パリで行われ、世界91カ国・地域の406人が参加した。日本代表は金メダル3個、銀メダル2個を獲得。結果を赤松文部科学大臣政務官に報告した。

  • 角谷賢斗さん(かくたに・けんと、東京・開成高校3年) 金メダル=3位
  • 濱田泰成さん(はまだ・たいせい、兵庫・灘高校3年) 金メダル=20位
  • 佐藤耀大さん(さとう・ようた、神奈川・市立横浜サイエンスフロンティア高校3年) 金メダル=23位
  • 井戸沼悠成さん(いどぬま・ゆうせい、東京・筑波大学附属駒場高校3年) 銀メダル
  • 伊丹翔治さん(いたみ・しょうじ、兵庫・灘高校3年) 銀メダル

ビーチボールが大活躍

表敬訪問後は個別取材に応じた。大会中は他国の選手とも交流を深めたという。「日本から持って行ったビーチボールを使って遊んでいたら、フランスのスタッフや中国の選手などが集まってきて、20人くらいで対戦しました」(佐藤さん)

他にも他国の選手からトランプを使ったゲームを教わったり、台湾や韓国の選手と東アジア文化について話したりして、試験以外でも有意義な時間を過ごせたという。

赤松文部科学大臣政務官に表敬訪問を行った日本代表の5人

「将来の選択肢が増えた」

今大会で3位に入り、金メダルを獲得した角谷さんは「同じ大会に出ている選手でも、住んでいる国が違うと受けてきた教育も、歩んできた人生も違う。それぞれに全く違う考え方があると感じた」と振り返った。

銀メダルを獲得した井戸沼さんは今大会を通して「将来の選択肢が増えた」という。「海外の大学に留学して、物理や化学の融合分野である『材料工学』を学びたいです」