新型コロナウイルスの重症化を防ぐため、国を挙げてコロナワクチンの接種を促しています。9月中旬に2回接種率が半数を超えましたが、年齢や自治体によって予約のしやすさ、状況に差が出ています。「大学受験間際の接種になりそうで打つべきか悩む」という受験生からの疑問が寄せられました。内科医の建部雄氏先生に答えてもらいました。(2021年9月時点での情報をもとに作成)

【高校生のギモン】受験間近の接種はどう考えればよいか?

「私は受験生ですが、ワクチン1回目の日程が12月半ばとなってしまい、これでは2回目の接種が共通テストに間に合わない可能性が判明しました。ワクチンは副反応をよく引き起こすという話も聞いています。受験のラストスパートの時期に高熱でダウンしてしまったりすると、不利になってしまうのではないかと不安です。 テスト間近でもワクチンは打っておかないといけないのでしょうか?」

副反応から復帰する2日間を見込んで予定を立てて

高校生の皆さんの共通テストや一般入試の受験時期は1月中旬頃からですね。

この時期までにワクチン接種2回を終了しておきたいところです。しかし、ワクチンの供給体制の構築に時間がかかっており、受験本番真っただ中にワクチン接種の案内状が届く可能性もあります。

これについては、副反応によるダウンタイム(回復に要する時間)を2日ほど見込んだ上で、案内状の通りのスケジュールで接種を受けてよいかどうか見極める必要があります。

予約がスムーズにできるかは自治体で差が

2回目接種は4~5日遅れても大丈夫

できる限り、試験前々日~当日を避ける形でワクチン接種を受けていただきたい。ですが、どうしても日程が合わない場合は、日程を変更するのが現実的です。

特に2回目接種は、既定の日にちより4~5日程度であれば遅れて接種をしても、予防効果におおむね影響はないとされています。

受験のため、2回目の接種をキャンセルした結果、新型コロナウイルスに感染してしまっては元も子もありません。どうしても規定の日時に接種できない場合は、変更手続きを行いその場合は7日以内の遅延を目安にできるだけ早く2回目接種を済ませてください。

 

建部雄氏

 

たてべ・たけし 医療法人社団聖仁会横浜甦生病院勤務。総合内科・一般内科が専門。京都市生まれ。2001年、昭和大学医学部卒業。大規模総合病院の救急科で経験を積み、急性期病院・クリニックの勤務を経て現職。