新型コロナウイルスの重症化を防ぐため、国を挙げてコロナワクチンの接種を促しています。副反応として、注射したところが痛くなったり腫れたり、発熱や頭痛が起きる可能性が高いですが、症状を和らげるにはどう対応するのがよいでしょうか。内科医の建部雄氏先生に教えてもらいました。(2021年9月時点での情報をもとに作成)

【高校生のギモン】副反応を軽減する方法が知りたい

「ワクチン接種をしたことで接種した部分が膨れてしまう人もいるそうです。その場合の対処の仕方などがあれば教えてほしいです」

「副反応が出たらアセトアミノフェンが入った解熱鎮痛剤がよいとテレビで見たが、ドラッグストアに売っていませんでした…」

接種部位の痛みや腫れは冷やしてOK

ワクチン接種の副反応としては、注射した部分の痛み、頭痛、発熱、倦怠(けんたい)感、月経痛の増悪などが起きることがあります。症状はほとんどが数日(実際には48時間以内が大半)以内に回復しています。

腫れたら冷やしてOK

接種部位の痛みや腫れについては、接種部位を冷やしたり適度に手を動かしたりしてかまいません。

解熱鎮痛剤を用意しておこう

発熱、頭痛、倦怠(けんたい)感については、市販薬にもなっている「アセトアミノフェン製剤(医薬品名:カロナール)」や「NSAIDS製剤(医薬品名:ロキソニン、ボルタレン等)」を服用するという手段が現実的です。

気管支ぜんそくを持病に持っていらっしゃる方は、ぜんそく発作の誘発リスクからアセトアミノフェン製剤しか原則使用できませんが、それ以外の方はNSAIDS製剤も使用できます。

現在、厚生労働省およびアメリカ合衆国疾病対策センター(CDC)はすべての解熱鎮痛剤の使用は問題ないと報告しています。

市販で売っているアセトアミノフェンのみの鎮痛解熱剤としては タイレノールAとバファリンルナJがあります。タイレノールは現在品薄で、オンラインでも入手困難な状態です。

バファリンルナには「バファリンルナi」と「バファリンルナj」がありますが、前者のバファリンルナiにはアセトアミノフェンにイブプロフェン(ロキソニンの成分)が含まれています。後者のバファリンルナjの成分はアセトアミノフェンのみ。小学生から服用が可能で15歳以上の場合は1回3錠の内服が可能です。

これらの情報を基に事前の副反応対策を行っていただければと思います。

 

建部雄氏

 

たてべ・たけし 医療法人社団聖仁会横浜甦生病院勤務。総合内科・一般内科が専門。京都市生まれ。2001年、昭和大学医学部卒業。大規模総合病院の救急科で経験を積み、急性期病院・クリニックの勤務を経て現職。