河野仁奈さん(岐阜・岐阜商業高校3年)は、合格率約15%の難関資格「日商簿記1級」に合格した。勉強計画の立て方や、行き詰まった時の乗り越え方を聞いた。
【時間管理】休み時間や通学中もムダにしない
1年生の8月から勉強を始めました。平日は朝と放課後は4時間勉強し、一日の合計だと平均6~7時間は費やしていました。
試験日の直前の1カ月は、隙間時間を見つけ、テキストを読んだり、問題を解いたりしていました。そのため、授業の合間の休み時間や通学時間もテキストを常に持ち歩いて、読むようにしていました。

長期的な計画を立て、実行するのが苦手で、あまりスケジュールを立てていませんでした。ですが、苦手な論点を少しでも克服できるように、「今日はどの論点を中心に勉強するのか」を一日の勉強を始める前に決めてから取り組むように意識していました。
【テキスト・問題集の使い方】問題演習重ね「アウトプット重視」
インプットにはあまり時間をかけず、アウトプットに時間をかけるようにしていました。インプットは大切なのですが、完璧な理解には繋がらないと感じる時が多くあったため、何度もアウトプットを行ううちに解けるようになっていました。
過去問がまとめられている問題集を使い、本試験の出題形式に慣れるのを意識していました。問題を解いたときは、解説をなるべく読まずにテキストに戻って直すのを心掛けていました。

【モチベーションの維持は?】適度に簿記から離れてみる
やる気が出ないときは、いったん簿記のことは考えず、リラックスできることをして気分転換していました。やる気がない状態でだらだらと勉強していても集中できず、ますます勉強が嫌になってきます。適度に簿記から離れる時間を大切にしていました。次第に「勉強しないと」という気持ちに変わってくるので、そのタイミングで勉強を再開していました。
正答率が上がらない時期は、あまりモチベーションを維持できていませんでした。だんだん正答率が上がってくると、勉強した分だけのびると思えるようになり、モチベーションになったと思います。

【壁にぶつかったときは】勉強量を意識、自信につながる
理解していると思っている論点でも、問題を解いてみるとわからなかったり間違えたりしてしまう時があり、本試験への不安を感じました。ひたすらアウトプットを行い、問題に慣れ克服できたと思います。自信をもって本試験に臨めるようにするため、「自分はこれだけ勉強してきた」という事実が必要だったので、勉強量も意識していました。
【何を得られた?】「勉強に向かう姿勢」を見直せた
1級合格を経て「勉強へ向かう姿勢」を見直せたと思います。合格するための勉強は、量と質のどちらも大切だと思うので、「成長するための勉強時間となっているか」を意識できるようになったと思います。
今後の目標は、公認会計士試験合格です。簿記の検定の中で、知名度の高い日商簿記検定1級を取得できたことに自信を持ち、将来の夢に向かって努力していきたいです。
【一級を目指す人へ】勉強の量と質、どちらも追ってほしい
日商簿記1級の勉強は、楽しいと感じるよりつらいと感じる時期のほうが圧倒的に長い人が多いと思います。モチベーションを維持するのが難しいと思いますが、勉強の量と質のどちらも大切にし、自信をもって本試験へ臨めるようにするのが大切だと思います。