新型コロナウイルスの感染が収まらない中、受験シーズンに入りました。受験生は、風邪・インフルエンザ対策も含めた感染予防に気をつかっていることでしょう。試験本番直前~前日にかけて良好な体調を維持するために、受験生は何を心がければよいのか、内科医の建部雄氏先生に教えてもらいました。
できるだけ家族だけと食事して
試験1週間(直前期)から前日にかけて注意すべきなのは、いつもと同じ生活パターン+感染予防対策を欠かさないことが基本です。軽い運動などで家の外へ出歩く以外は、必要最小限の頻度で学校や塾・予備校に通う程度にとどめ、家の中で家族だけと一緒に食事をすることに努めることが望ましいです。
自宅の室内の空気を適切に管理し、その管理された安全な場所を中心に試験直前の勉強に集中すること。やむなく外に出るときはマスクを正しくつけて、大人数で集まらない、大声で会話しないようにしましょう。
気晴らしで外食、ショッピングもNG
試験直前だけれども気晴らしにショッピングに出向きたい、仲の良い友達とカフェやファミレス、ハンバーガーショップなどで一緒に勉強したり、進路の悩みや学力の悩み等を話したりしたい……といった気持ちになる人もいるでしょう。しかし、デパートや商店街、飲食店、フードコート等には少なからず人がおり、感染症のリスクがあります。
みなさんはフェイスシールド着用の店員さんの姿や、テーブル席に設置された背の低いアクリル板を目にして「感染対策がされている」と思い込んでいませんか?
はっきり申し上げると、フェイスシールドのみの着用・アクリル板設置のみで「感染対策をしている」としているお店の一部は、エアコンで温度管理はするものの、飛沫感染を意識した換気対策が出来ていません。フェイスシールドは「飛沫感染を防ぐ効果が薄い」と判明しています。エアコンを付けっぱなしにすることで、温度管理と換気の両方がしっかりできているとさえ考えているところもあるのです。窓を開ける・換気扇を回すなどの換気対策が難しいならば、空気清浄機を設置・使用する等の対策も取られていません。
やむなく外出しこれらのお店を利用する場合は、必要最小限の短時間滞在に留めて帰宅するのことがこの時期には必要と言えるでしょう。受験生である自分自身を守り、自分の周囲の人を助けるため今できることを考えて実行し試験を乗り切ってください。
医療法人社団聖仁会横浜甦生病院勤務。総合内科・一般内科が専門。京都市生まれ。2001年、昭和大学医学部卒業。大規模総合病院の救急科で経験を積み、急性期病院・クリニックの勤務を経て現職。