「肌や体を修復する成長ホルモンが分泌されるのは22時から2時。このゴールデンタイムに、できるだけ寝ましょう」。こんな情報、聞いたことがありませんか? 睡眠科学の第一人者・櫻井武先生(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構)に真相を聞きました。(青木美帆)

体内時計を整えることが大切

成長ホルモンが出るのは、寝入って最初に深い睡眠に入ったタイミング。夜10時に寝ても深夜1時に寝ても、そこで深い睡眠がとれれば成長ホルモンは十分に分泌されます。本当にこの時間にゴールデンタイムがあったとしたら、この時間に働いている人は大変なことになってしまいますよね。

よりスムーズに成長ホルモンの分泌をうながすためには、毎日決まった時間に起きることにより、体内時計を整えることが大切です。夕方以降あまり明るい光を浴びずに過ごすのも大切です。LEDライトの青い波長は体内時計に与える影響が大きいので、夕方は白い光でなく赤めの照明にすることをおすすめします。

さくらい・たけし

筑波大学医学医療系教授。筑波大学大学院医学研究科修了。睡眠を含む脳の機能やメカニズムを解き明かしている。

櫻井武先生