高校生活は友達関係が広がりますが、人間関係の悩みもつきません。「心がつらい、苦しい」と感じること、ありますよね。臨床心理士でスクールカウンセラーの大倉智徳さんに、読者の高校生からLINE公式アカウント「高校生新聞編集部」に寄せられた悩みに答えてもらいました。
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【お悩み】今まで仲が良かった友達と気まずい
仲良しな友達の私への態度が、急に冷たくなりました。他の友達には笑顔で話したり大笑いしたりしてるのに。
そこで「なんでこんな態度を取ってるのか」を聞きました。私が何かしたなら正直に言ってほしいと。そして友達が思ってること、嫌だと思ったことを話してくれました。もちろん、私が嫌な思いをさせていたことには変わりないので、まず先に謝り、「急にあんな態度を取られたのが嫌だ」ということも伝えましたが、相手は無視。
「常に仲良く」は難しい
友達と常に仲良くするというのは、なかなか難しいことです。元々別の人間なので、気が合うところばかりではなく、考え方が違うところも多いはず。気持ちがすれ違ってしまったときの、友達との関係修復の糸口について考えてみたいと思います。
すぐには許せない状況かも
私がお話を読んで気になったのは、「友達が話してくれた“嫌だと思ったこと”はどういった内容だったのかな?」ということです。
嫌だと思ったことが友達のコンプレックスや価値観に反すること、例えば「これは大切」「譲れない」と強く思っていることであると、友達は許す心境になかなかなれない可能性があります。相手があなたの謝罪を受け入れて落ち着くまでは、距離を取って、待ってあげたほうがよいのではないかと思いました。
また、気持ちが落ち着いてくる時間も人それぞれ。仲直りすることが苦手な人であったりすると、あなたが思っているよりも時間が必要なことがあるかもしれません。
友達付き合いの好みを観察して
しかし、悪いことばかりではありません。あなたが友達のことを理解して行動すれば、その友達と良い関係に戻れる可能性も高いと思います。
友達があなたの行動を見て「私が言ったことを分かってくれた」と思ったら、関係が戻る可能性はグッと高くなります。あなたの友達は、どういった付き合い方を望む人なのか、振り返ってみることをオススメします。
加えて、あなたが「自分の周りにいる人のことを理解しよう」「大切にしよう」とする行動をとれば、人から好感を持たれることが多くなります。友達の輪が今よりも広がることだってあるでしょう。
普段使う言葉や口ぐせを思い返して
ここまで読んで、あなたは自分の行動のどこに気を付けようと思いましたか?
思いつかないときは、まずは自分が普段、何気なく周りの人や友達へ口にしている「言葉」や「口ぐせ」を気にしてみるとよいでしょう。何気なく口にする言葉は、普段から自分が思っていることを反映していることが多くあります。
そのため、言葉にハッキリ表れなくても、相手のことをどう思っているのか、それとなく伝わることがあります。「普段、なんて言ってることが多いかな?」と思い返したり、気にしたりしてみると、自分に対する発見があるはずです。
「相手を理解しよう」「大切にしよう」とする気持ちを持ち、自分が相手に伝えようとしている言葉を意識して、まずは行動をしてみてください。気にしている友達だけでなく、周りの人との関係もきっと変わるはずです。
すてきな友達付き合いになることを応援しています!
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大倉智徳さん
おおくら・とものり 2002年からさまざまな公立高校でスクールカウンセラーを務める。現在は、小中学校などにも勤務