人気若手俳優の竹内涼真さんは高校時代、プロサッカーチームのユースに所属して、サッカー一筋の日々を過ごしてきた。挫折しながらも乗り越えられたのは、キャプテンの一言がきっかけだったという。高校生に向けて「自分を変えるにはどうすればいいのか」をアドバイスしてもらった。(文・中田宗孝、撮影・玉井幹郎)
主将の言葉で前向きに
高校3年間は「サッカー一色」。放課後は所属先の東京ヴェルディユースで汗を流した。
周りは実力ある選手ばかり。学年が上がるにつれてプロを目指す気持ちが薄れ、サッカーをやめようと何度も考えたという。「けがをしたから、控え選手だからと、いろんな言い訳をつけてサッカーから逃げる自分がいました」
だが、当時のチームのキャプテンの一言に救われる。「高校3年のある日、『お前の居場所はある。チームに必要だ』と声を掛けてくれて……。それからは、『周りを盛り上げて、少しでもチームに貢献したい』と、気持ちを前向きに切り替えられたんです」。高3のユースチームの送別会では、自らへの悔しさから人目をはばからず号泣。そして、自分を励まし支えてくれたキャプテンに感謝の言葉を伝えた。
失敗恐れる自分に気付こう
部活で思うように力を発揮できないと悩む高校生は多い。「厳しい言い方になりますが、それは自分の責任。周りがうまいからではなく、自分が下手だからです」と、自らの苦い経験を重ねた。そして、心からの激励を送る。「(力を発揮できる人は)練習の姿勢やメンタルに違いがあります。レギュラー選手は試合に出て当たり前という強い気持ちを持っていますし、練習でも良いプレーを一つでもしようとしています。失敗を恐れる自分に気が付けるか。うまくいかない今の自分が変わるとしたら、そこです」
初の先生役に挑戦
主演を務める少女漫画原作の実写映画「センセイ君主」では、初の先生役を熱演。これまで習ってきた学校の先生を思い出しながら、生徒との距離感にこだわった役づくりをした。「生徒に対して敬語とタメ口が交ざったような接し方を意識しました。授業中は『始めます。ちゃんとしてください』となるけど、授業を離れれば柔軟に。そう演じることで、人間味のあるリアルな先生に見えるかなと思ってたんです」
劇中では、ピアノ演奏や合唱の指揮にも挑戦。「特に、生徒を前にしての指揮は緊張しました(笑)。生徒一人一人の顔を見ながら指揮することを心掛けたら上手にできるようになりました」
- 「センセイ君主」
- 告白7連敗中の女子高校生あゆは(浜辺美波)が恋に落ちたのは、イケメン数学教師・弘光(竹内涼真)。そんな彼女の恋心を察した弘光先生から「高校生なんてありえないでしょ」と、冷徹に告げられてしまう。だが彼女は、めげずに先生を「落とす」ための行動を開始する。配給:東宝。8月1日から全国東宝系公開。 ©2018「センセイ君主」製作委員会 ©幸田もも子/集英社