女優の今田美桜さんにインタビュー。新たな高校生活が始まるみなさんに、毎日を充実させるためのエールを送ってもらいました。(取材・中田宗孝、写真・西村満)
「素直な子」って魅力的
―新生活で友だちをたくさん作りたい高校生に向けてアドバイスをお願いします。
クラス替えをしたばかりの教室内のざわつきは、今もよく覚えています。思い返すと、男女関係なく「素直な子」って、とっても魅力的だったし、友だちに囲まれていましたね。
私自身は、初対面のクラスメートに自分から話し掛けるのが苦手だったかな。話し掛けられるとうれしい、みたいな(笑)。そんな子もきっといると思うので、思い切って声を掛けてみてください。

好きなことにとことん向き合って
―高校生活が始まる新入生に、新生活を充実させるためのエールを送ってください。
高校生って、中学のときよりも将来について考える時間が増えると思うんです。学年が上がるにつれて、自分の将来がどんどん現実的になっていきます。
私は高校生のときに、女優という夢がたまたま見つかりました。一方で、高校時代に将来の道を決めきれない人だって絶対いる。そんな方には「自分の好きなことにとことん向き合ってみて!」と伝えたいです。時には勢いも大事。高校生だからこそ発揮できる勢いで、好きなことに全力で挑戦してください。

土佐弁のせりふに挑戦、音声聞いて自主練
―ヒロインを務める連続テレビ小説「あんぱん」は、昭和期の高知から物語が始まります。今田さん演じる朝田のぶは土佐弁で話しますね。
はい。土佐弁のせりふが多いので、方言の勉強にも取り組みました。私は福岡県出身なので方言自体にはなじみがありますが、土佐弁のイントネーションは独特で、新たな語学を学んでいるような感覚なんです。
―土佐弁はどうやって習得しましたか。
撮影中は土佐弁指導の先生に横についてもらいます。本番前、土佐弁のせりふを先生に聞いてもらって、きちんと発音できているか確認してもらっています。実は、家で土佐弁の音声テープを何度も聞いて自主練をしていたんです。
でも、耳で聞いた土佐弁と、自分の声で発する土佐弁が一致しているのかどうか、判断がつかなくなってしまって。撮影開始から半年が過ぎた今は、土佐弁せりふにも慣れてきました!
「たまるか!」に注目してみて
―よく使う土佐弁に愛着がわきましたか?
そうですね。「たまるか!」(「おぉ!」「えぇ!」「まぁ!」などを意味する感嘆詞)は、いろいろな感情をのせられる便利な土佐弁です。演者にとって「たまるかあ」は、表現の幅を広げてくれる言葉で、台本にないアドリブ演技のときに使いやすいんです。私も共演者の方々も作中で「たまるか!」をよく使っているので、注目してみてください。
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いまだ・みお
1997年3月5日生まれ。福岡県出身。2016年に上京し、女優活動を本格的に始める。主な出演作は、連続テレビ小説「おかえりモネ」、ドラマ「花咲舞が黙ってない」、映画「東京リベンジャーズ」シリーズ、「劇場版ドクターX FINAL」ほか多数。
連続テレビ小説「あんぱん」

昭和初期。足が速くて男勝りな性格の少女・朝田のぶ(今田美桜)は、転校生の柳井嵩(北村匠海)と出会う。やがて彼らの暮らす高知にも戦争の足音が近づき、嵩は戦地へと出征。戦後、新聞記者となったのぶの勤める新聞社に嵩が入社し、久しぶりの再会を果たす。
NHK総合、毎週月~土曜午前8時~8時15分(土曜は1週間の振り返り。NHKBS、BSプレミアム4Kでは毎週月~金曜午前7時30分~7時45分)などで放送中。