女優の今田美桜さんにインタビュー。今田さんは高校時代に女優になる夢を見つけました。親に反対されてもあきらめず、頑張り続けた日々を振り返ってもらいました。(取材・中田宗孝、写真・西村満)
芸能活動を両親は反対→勇気出し説得
―高校生のころ、どんな将来を描いていましたか?
高校2年生から、地元・福岡で芸能関係の仕事を始めたのをきっかけに、女優になる夢を抱くようになりました。ただ両親は、学業を優先させたい思いから芸能活動には反対していたんです。そこで私は、両親を説得するため「自分が今一番やりたいのは女優になることなんだ」と、勇気を出して伝えました。
―両親は納得してくれましたか?
学業優先を条件に、芸能活動を続けることは両親も理解してくれたんです!
それから私は、テレビ番組や映像作品に出演するためのオーディションへの参加数を増やしていきました。オーディションを頑張って、「お仕事を勝ち取っていくぞ」という気持ちがより強くなりました。

高校時代から演技レッスン
―高校時代の経験が今に生きていると感じていることはありますか?
高校時代、女優を目指して演技レッスンを受けていたんです。渡された台本を初見で1ページ読み込んで、すぐその場で台本に書かれたシーンを演じるなどしていました。
役になりきる基礎的な学びは、今、女優の仕事をする中で生きていると感じています。高校生で取り組んだ演技レッスンがなかったら、今の私はありません。
諦めない気持ち、持ち続けて
―夢をかなえるには何が大切だと思いますか?
夢をかなえるためには、諦めないことが大切です。私は「夢を諦めなくて良かった」と感じています。高校生のみなさんも、諦めない気持ちを持ち続けてください。それが夢に近づく力になります。
撮影現場では「いつも明るく」
―放送中の連続テレビ小説「あんぱん」では、ヒロインの朝田のぶを演じています。撮影の時は何を意識していますか?
いつも明るく過ごすことを心掛けています。「あんぱん」の物語は、誰もが前向きになれる温かい作品で、そんな明るい作風に引っ張られるかのように現場の雰囲気もとても穏やか。クランクインから半年が過ぎ、のぶを演じるのが私の生活の一部になり、自然体のまま彼女になりきれていると実感できています。

お気に入りはドキンちゃん
―今作は、「アンパンマン」の作者・やなせたかしさん夫婦をモデルに描く作品としても注目を集めています。
私も幼いころから「アンパンマン」が大好きで、いつ覚えたのか記憶がないのにアンパンマンの歌を口ずさめるんです。お気に入りのキャラクターは、天真らんまんなドキンちゃん!
幅広い世代に愛されている作品ですし、大人になって「アンパンマン」に触れると、やなせさんが読者に生きる喜びを伝えてくださっているのを強く感じられます。
懐の深さや芯の強さを演じたい
―役づくりはどのように取り組みましたか。
やなせさんの著書で奥さまの暢(のぶ)さんに関する記述を読んだり、夫婦の2ショットややなせさん自身が撮影した暢さんの笑顔の写真を見たりして、役への想像を膨らませています。
実は暢さんに関わる資料は少ないんです。ですが、懐の深さや芯の強さがあり、周りの人を巻き込む人間力のある人物だと感じられました。暢さんの魅力を表現できるように意識しながら演技に臨んでいます。
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いまだ・みお
1997年3月5日生まれ。福岡県出身。2016年に上京し、女優活動を本格的に始める。主な出演作は、連続テレビ小説「おかえりモネ」、ドラマ「花咲舞が黙ってない」、映画「東京リベンジャーズ」シリーズ、「劇場版ドクターX FINAL」ほか多数。
連続テレビ小説「あんぱん」

昭和初期。足が速くて男勝りな性格の少女・朝田のぶ(今田美桜)は、転校生の柳井嵩(北村匠海)と出会う。やがて彼らの暮らす高知にも戦争の足音が近づき、嵩は戦地へと出征。戦後、新聞記者となったのぶの勤める新聞社に嵩が入社し、久しぶりの再会を果たす。
NHK総合、毎週月~土曜午前8時~8時15分(土曜は1週間の振り返り。NHKBS、BSプレミアム4Kでは毎週月~金曜午前7時30分~7時45分)などで放送中。