大人気ロックバンド「マカロニえんぴつ」に高校生記者がインタビュー。「一歩踏み出す勇気が出ない」「好きな人に告白するタイミングは?」など、高校生から寄せられた悩みに応えてくれました。(取材・長谷川圭介=高校生記者、構成・中田宗孝、写真・幡原裕治)

アイデアを育む時間を作って

―高校生からの質問です。「今から何か新しいことを始めようと思っても、『もう高校生からじゃ遅すぎる』とためらう自分がいます。一歩踏み出すためのアドバイスをください」

メンバー全員 いや、高校生の若さで遅いことなんてないよ!

―SNSで自分よりはるかに実力のある人を目にすると、自信がなくなる高校生もいます。

はっとり あぁ、言われてみれば……。すごい人たちを見てしまうと、自信をなくしちゃいますよね。人気のインスタグラマーは、写真の魅せ方が上手だし、動画編集の技術力もすごい。そんな人がもし自分と同世代だったりしたら……。

田辺由明 心がくじけるよね。

はっとり 例えば、バンドは楽器の演奏技術が高いことも確かに重要。でもそれ以上に、個性やオリジナリティー、アイデアの膨らませ方を大切にしてる。

音楽に限らず、どんなジャンルでも高校生のうちから、アイデアは育てられると思う。新しい挑戦を自分にとって価値あるものにするためのアイデアを、じっくり育んでいく時間を作ってほしい。

多くの人から評価される結果をすぐに求めがちだけど、焦らないで。進級や進学など環境が変わるタイミングで、育んできたアイデアの一部を誰かに見せるのだって決して遅くはないから。

マカロニえんぴつ(ヘアメーク:飯束ゆうこ、スタイリスト:高田勇人) 

「好き」の気持ちはいつ伝えるべき?

―僕の恋愛の悩みについて、みなさんに相談に乗ってもらいたいです。

メンバー全員 おー! 

―僕は4月から高3になります。受験が終わってから好きな女の子に告白しようと思っているのですが、今すぐに告白するのとどちらが良いと思いますか?

はっとり 俺は自分の気持ちが熱いうちに「好き」って伝えたほうがいいと思うよ。大ちゃん(長谷川大喜)はどう?

長谷川大喜 今すぐ告白して付き合えたとしたら、受験勉強を一緒に頑張れるよね。それで2人とも第1志望の大学に合格できたら……。

―熱いですね!

長谷川 熱いよね! 一方で、片思いの情熱が良い方向に働いて受験勉強がはかどることだってあるわけじゃん。逆に「LINEしたいな。返信が全然返ってこないな」なんて、受験の大事な時期に気が散っちゃうことだってある。

はっとり 確かに、片思い中の時期が一番楽しい気分になるんだよね。告白を急がずドキドキの時間を味わってほしいとも思えてきたな(笑)。

マカロニえんぴつと高校生記者

「ジャブ」を打ってアピールしてみて

―実は親しい男友だちも、同じ相手が好きなんです。でも、僕の気持ちは男友だちは知らなくて…という状況です。

はっとり なるほど! 受験が終わるのを待っていたら、男友だちに先越されちゃう可能性があるわけだ。

―そうなんです。

はっとり 「ジャブを打っていく」のが大事かも。いきなり告白すると相手を動揺させちゃうから、「あなたが好きなんだぜ」と匂わせていく。「深く知ろうとしてくれてるな」と分かると、相手は君をちょっとだけ特別な存在として見てくれる。

―具体的にはどんなジャブが効果的なのでしょうか。

はっとり 好きな子にいろいろ質問してみる。「どんな映画が好きなの?」「好きな食べ物は何?」とか。「俺は君にすごく興味がある」っていう意思を届けられて効果的だと思うよ。今の片思いの状況や相手の反応を聞いていると、俺はすごく脈ありだと感じる。恋の行方がどうなったのか、いつか俺たちに聞かせてね。

「アオのハコ」の世界観を音に込めた

―アニメ「アオのハコ」のオープニング曲に起用された「然らば(さらば)」。レコーディングではどんな気持ちで演奏しましたか。

長谷川 僕はバンドを始めた当時は、「鍵盤の音が目立てば目立つほどいいじゃん!」みたいな考えで演奏していたんです。

当時の自分を憑依(ひょうい)させて、サビのパートでは「主線のメロディーを食ってやろう」という気持ちで演奏しました。楽曲全体としては、音色にこだわるプロとしての部分も音に込めて。過去と現在の自分をいい感じに混ぜた音で表現できたと思う。

高野 意識したのは「がむしゃら」感。洗練されたベース音というよりは、熱量を感じる音にしたいと思っていたので、レコーディングでは粗めで激しく演奏しました。10代のときのような音が出せる自分がまだ残っていたんだと再発見できましたね。

(C) 三浦糀/集英社・「アオのハコ」製作委員会

音楽は「人となり」が現れる 

―アニメ「アオのハコ」の世界観も音に込める意識を持っているのですね。

はっとり うちのメンバーは俺が何も言わなくても、作品の世界観をくみ取るスキルが高いんです。最近メンバーには、レコーディング時やライブ前に「自分を乗せて音を響かせてほしい」という意味を含んで「フィジカルでいこう!」としか伝えていません。

音楽って、人となりが表れるんです。小手先のテクニック頼りの演奏をすると、その程度の音にしかならない。メンバーの一人一人の生きざまが音に乗った瞬間に、その人にしか出せない唯一の音になって、楽曲が躍動し始める。

田辺 そうだね。僕も「然らば」のギターソロには、「アオのハコ」の登場キャラクターたちの青い気持ちに寄り添いながら、自分の感情を全部ぶつけました。

はっとり 「然らば」での俺とよっちゃん(田辺)のギターは、感情の赴くままにだったね。

田辺 うん、弾ききった。そのときのフィーリングを大事に弾いたら、カッコいい音がとれました。

【取材後記】自分らしさを忘れず挑戦したい

初めての取材で緊張していました。しかし、長谷川大喜さんと同じ苗字だと話すと、みなさんが「親戚⁉」とカジュアルな反応をしてくれて、気持ちがほぐれました。

取材では、はっとりさんが「片思いが一番楽しい」「自分のことを知りたいアピールをすべき」とアドバイスしてくれたり、「高校生のうちは個性を温める時期」と言ってくれたりしたのが特に印象的でした。あこがれの人と直接話すことができて、本当に貴重な経験でした。

みなさんの言葉を胸に、自分らしさを大切にしながら、新しいことに挑戦していきたいです。(高校生記者・長谷川圭介=2年)

マカロニえんぴつのサイン色紙を1人にプレゼント!

マカロニえんぴつのサイン色紙を1人にプレゼント。高校生新聞編集部LINE公式アカウントとお友達になってから、「マカロニえんぴつサイン希望」と明記の上、「学校名・学年・記事の感想」をメッセージに書いて送ってね。応募資格は高校生・中学生に限ります。4月30日締め切り。当選者には編集部からメッセージでお知らせします。

マカロニえんぴつ

はっとり(ボーカル&ギター)、高野賢也(ベース&コーラス)、田辺由明(ギター&コーラス)、長谷川大喜(キーボード&コーラス)による4人組バンド。音楽大学に在学中の2012年に結成。20年にメジャーデビュー。21年「なんでもないよ、」がヒット。6月14、15日に横浜スタジアムでワンマンライブを開催。

メジャー5th EP「いま抱きしめる 足りないだけを」

メジャー5th EP「いま抱きしめる 足りないだけを」(「アオのハコ」盤ジャケット)

3月12日(水)リリース。テレビアニメ「アオのハコ」第2クールオープニングテーマ「然らば」を含む全4曲収録。(以下、価格は全て税込み)。初回限定盤(CD+Blu-ray Disc)4400円、期間限定「アオのハコ」盤(アニメ「アオのハコ」描き下ろしジャケット仕様)2200円、通常盤(CD)1650円。

アニメ「アオのハコ」

(C) 三浦糀/集英社・「アオのハコ」製作委員会

男子バドミントン部に所属する高校1年生の猪股大喜(声・千葉翔也)は、朝練の体育館で顔を合わせる女子バスケットボール部の先輩・鹿野千夏(声・上田麗奈)に片思いしていた。家族の海外転勤を理由に、千夏が猪股家に居候することに。ひとつ屋根の下で暮らす大喜と千夏は、互いの距離を縮めていく。毎週⽊曜23時56分からTBS系にて全国放送中。