人気グループ「なにわ男子」のリーダーとして活躍する大橋和也さん。高校3年の進路選択で、大学進学かアイドル活動に専念するかで悩み抜いたといいます。進路で迷う高校生に、前向きに選択するためのアドバイスをもらいました。(取材・中田宗孝、写真・渡辺秀之)

勉強も仕事も「楽しむ」

―高校時代も芸能活動をしていましたが、学業と仕事をどう両立しましたか?

まず何事も楽しむ気持ちを心掛けていましたね。芸能活動と学校生活のどちらかではなく、どっちも楽しむ! それが自分の見つけた両立のやり方でした。

高校の授業だと、数学や化学の理系が特に好き。数式や化学式を解いて答えを導くまでの計算も楽しいと感じられたんです。一方、文系科目は暗記ものが多かった記憶が僕の中にあって、覚えるのは苦手でしたね……。国語は僕の苦手な教科でしたが、国語の全部が嫌というわけではなく、古文は好きだったんです。まず自分が興味を持てる古文の勉強をすることで、少しでも苦手意識をなくそうとしていました。

大橋和也さん(ヘアメーク:yuka(JOUER)、スタイリスト:井元文子)

「大学かアイドルか」悩み抜き

―高校生からの質問です。「今年受験生です。大橋さんは高校生のころ、進路に悩んだ経験はありますか?」

僕は高3のとき、大学に進学するか、大学へ行かずに仕事を続けるかの選択で悩んでいました。結果的には、進学しない道を選び今があるので、高校時代の自分の決断に後悔はありません。

 振り返って思うのは、進路に悩むくらい自分に対して真剣だったし、他の誰でもなく僕自身の意思で選んだから、「ああしておけば」という思いにならないんです。受験生のみなさんは、将来への悩みが尽きないはず。でも、いろいろ悩むこと自体が尊いと思うんです。自分を肯定できる決断になることを願っています。

合わない人は共通点探して

―「クラスに『合わない』と感じる人がいます。どうコミュニケーションをとればよいでしょうか?」

自分と合わないところだけを深刻に考えないでほしいです。「あいつのここがいいやん!」っていう共感できる部分を見つけてほしい。「アニメの趣味が一緒や!」とか、自分と相手が通じ合えそうな共通点を探すのが大切やなと思います。僕は人を嫌いになる自分が嫌なんです。だからこそ、相手の好きなところを見つけたいですね。

イライラしたら「的を絞る」

―「学校の課題がたまっているとイライラして、人にも自分にも優しくできません。大橋さんは、どのように気持ちをコントロールしていましたか?」

「的をひとつに絞る!」。これが大切ですね。勉強が捗らない、日常生活の中で心配ごとがある、だけどやらないかんこともある……。焦りがイライラの感情を生み出しているように思います。

そんなときは、自分が今、一番やらなければいけないのは何かを考え、一点集中して取り組めばいいんです。提出期限が迫っている課題なのかもしれない。感情がぐちゃぐちゃになって、気が散っちゃう経験は僕にもあります。やけど、まずはひとつに的を絞ってこなしていく。ひとつ何かを完了させれば気持ちの落ち着きを取り戻せるはずです。

アイドルの経験が演技に活きた

―少女漫画が原作の映画「君がトクベツ」では、国民的アイドルの桐ヶ⾕皇太を演じます。役づくりでは何を意識しましたか。

僕自身がアイドル活動をしているので、皇太がアイドルとして経験してきたことや、ファンへの思いなど、共感できる部分がとても多かったんです。グループでリーダーを務めているのも皇太と僕は同じですしね。今作は原作ファンの方が多い作品です。髪の毛を金髪にするなど、ビジュアル面を皇太に近づけることも、もちろん意識しました。

(C)幸⽥もも⼦/集英社・映画「君がトクベツ」製作委員会

―難しかった演技はありましたか。

笑う演技ですね。個人的には、泣いたり怒ったりと感情をあらわにする演技以上に、笑う演技が難しいと感じているんです。今作で演じる皇太の笑顔には種類がたくさんありました。単純に楽しいときに見せる笑顔だったり、過去の悲しみを含んだ笑顔だったりと、さまざまな感情を笑いに込めています。前後のシーンやセリフを考えながら、笑顔の表現に向き合っていました。

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映画「君がトクベツ」のマスキングテープ「君ベツマスキングテープ」を3人にプレゼント。LINE公式アカウント「高校生新聞編集部」とお友達になってから、「君がトクベツプレゼント希望」と明記の上、「学校名・学年・記事の感想」をメッセージに書いて送ってね。応募資格は高校生・中学生に限ります。7月31日締め切り。当選者には編集部からメッセージでお知らせします。

おおはし・かずや

1997年8月9日生まれ。福岡県出身。2018年に結成された7人組男性アイドルグループ「なにわ男子」のリーダー。俳優としてドラマや映画、舞台で活躍。22年放送のドラマ「消しゴムをくれた女子を好きになった。」で初主演。

映画「君がトクベツ」

(C)幸⽥もも⼦/集英社・映画「君がトクベツ」製作委員会

大のイケメン嫌いで「陰キャ女子」なさほ⼦(畑芽育)は、国民的人気を誇る男性アイドル・皇太(⼤橋和也)と偶然出会う。⾃分のファンだと勘違いした皇太は、彼女に過剰なファンサービスを披露。だが、イケメン嫌いのさほ子の怒りが頂点に達して……。イケメン嫌いの陰キャ女子meets国民的アイドル、その行先は恋か、それとも…!?

配給:ギャガ。全国公開中。

(C)幸⽥もも⼦/集英社・映画「君がトクベツ」製作委員会