丸田君(後列左から2人目)と班員たち(学校提供)

小野高校(兵庫)国際経済科は毎年、3年生が選択制の課題研究で「そろばんから発信!」班を結成し、そろばんの魅力を海外へ伝えている。同校のある小野市は、そろばんの生産量が国内シェアの約7割を占める「そろばんのまち」。授業で学んだ英語力を生かした地域貢献をするのが目的だ。

海外から子どもを招待

活動は2015年から。海外の子どもたちを地元に招いて「そろばん国際交流会」の開催を目指していたが、海外につてがなく、資金などの問題もあり、実現には至らなかった。今年度の同班リーダーの丸田大貴君ら10人は、地元の商店街や企業への飛び込み営業、クラウドファンディングを利用して資金の調達に奔走した。

今年5月に資金面のめどが立ち、丸田君たちはそろばんの海外普及に取り組むNPO法人や地元の商工会議所と連携。8月21日、そろばん国際交流会を開催した。歴代の班員の意志を継ぎ、3年越しで目標を達成した。

そろばん国際交流会の様子。世界の子どもたちとそろばん競技(学校提供)

交流会には、母国でもそろばんに親しむレバノンやトンガなど4カ国の小学生から高校生まで25人が参加。近隣の小学生55人を交えてのそろばん競技会を行った。

「競技に全力で挑む海外の子どもたちの姿が心に残りました。そろばんは言語の壁を越えます!」(丸田君)。班員が企画した、余興のゲーム大会も盛況を博したという。今後も、後輩がそろばんの魅力を海外に広める活動を続けていく。 (中田宗孝)

交流会は大成功だった(学校提供)