富山県に住む私は、昨年の能登半島地震をきっかけに防災に関心を持ち、探究活動を続けてきました。先頭に立って避難し、周囲も助ける「率先避難」の考え方を紹介します。(高校生記者・つるひめ=3年)
避難のリーダー「率先避難者」
「率先避難者」という言葉を知っていますか。緊急時に周囲へ避難を呼びかけながら、自ら先頭に立って避難する人を指します。率先避難者になるには「自分は被害に遭わない」「大きな災害は起こらないから大丈夫」といった思い込みを捨てる必要があります。

率先避難者の行動は、自分や地域の人々の命を救い、消防団員や行政職員が危険な状況にさらされるのを減らします。呼びかけによって「自分は大丈夫」と思い込む人も避難できるからです。
私は探究活動の中で「率先避難5カ条」を作成しました。
- ①周囲に声をかけながら避難する「呼びかけ」
- ②避難場所までの経路を理解しておく「正しい知識」
- ③「自分は大丈夫」という思い込みを捨てる「バイアス排除」
- ④非常持ち出し袋を整え、点検を怠らない「準備」
- ⑤迅速な判断と行動を意識する「すばやく」
私はこの5カ条と防災キャラクターを作成し、カードにまとめて講演を依頼された中学校に配布しました。市長や市役所職員の前でも成果を発表し、キャラクターの紹介を行いました。

震度7の揺れを体験
さらに学びを深めるため、富山市の防災に関する知識を学べる施設「防災館」を訪れ、震度7の揺れを体験しました。正直なところ揺れている最中には冷静に避難を考える余裕はなく、事前に避難場所を確認しておく備えの重要性を実感しました。
防災士の方からは「水の備蓄が最も大切」と学びました。飲み水だけでなく、調理、応急手当、手洗い、歯磨きなど多くの場面で必要になるからです。
「自分は大丈夫」と思わないで
いつかは起こるとされる南海トラフ地震や首都直下地震が懸念されています。日頃から備えを整える必要があります。災害が起きたときには、「自分は大丈夫」という考えを捨て、率先避難者として行動することが多くの命を救う第一歩だと感じています。
- つるひめ 富山県在住。放送部。趣味は音楽鑑賞で坂道グループの曲やボカロが好き。日向坂46の平尾帆夏さん推し。