蚊とアリについて研究した並木君

カマキリの餌から気付き

並木健悟君(東京・早稲田大学高等学院3年)は、子どものころから昆虫が好きだった。カマキリの餌として採集したアリ(クロクサアリ)と蚊(ヒトスジシマカ)を同じ容器に入れたところ、数分後に蚊だけ死んでしまったという。

「実際にアリが蚊を殺すなら、アリは蚊の駆除・防除に役立つのでは」と考え、アリと蚊の領域を分けるために容器をネットで区切ってみた。それでも蚊が死んだこと、刺激を与えたアリがサンショウのような匂いの分泌物を出していたことから、アリが殺虫ガスを出すのではないかと仮定した。

「殺虫作用」を確認

いくつかの実験・分析によって分泌されたガスの殺虫作用を確認することができた。同時に、それが「シトロネラール・蟻酸(ぎさん)混合物」による可能性があることを突き止めた。「これからも研究を続け、こんなちっぽけな生物であっても人のためになることを証明したい。そして、そのことを多くの人に知ってほしいと思っています」