アジアに注目し研究を進める生徒たち


 成田国際高校(千葉)の生徒たちは「アジアの中での共生」をテーマに、観光・教育・環境・共生の4分野88のグループに分かれて課題研究を進めている。

石島将史君、中村美咲さんら2年生4人のグループは「東京都、千葉県、神奈川県に訪れるムスリム(イスラム教徒)観光客のために、今ある観光地を誰もが楽しめる観光地にする方法」についてリサーチを進めている。

「成田という場所柄、街で外国人観光客を目にすることが多い。言葉や文化、中でも宗教の違いによって生まれる問題に着目し考えたいと思いました」と石島君は話す。

ハラール対応を電話取材

中村さんは、昨年11月のフィールドワークで神田外語大学を訪問。「ハラール(イスラム法上許されているもの)対応の学食でムスリムの方のお話を伺い、ムスリム観光客の食に問題意識を持つようになりました」

グループでは「ムスリム対応の料理を提供しているか」「ムスリム対応の礼拝用スペースを確保しているか」についてテーマパークなどに電話取材。「レストランのハラール対応が進まないのは、厨房(ちゅうぼう)や調理道具を通常の調理と分ける必要があるのも理由だと分かりました」(中村さん)

「今後はムスリムの生の声を集めたい」と石島君。ムスリムコミュニティーやムスリム対応のレストランなどを訪問し、取材する計画だ。

(文・写真 野口涼)

2015年度にSGH指定された。2年生は昨年11月からグループ研究をスタート。来年1月の研究発表大会を目指して課題研究に取り組む。