ニキビが治ったと思ったら、肌に赤みやへこみが残っていた……なんて経験はないだろうか。早くから適切にケアすれば、ダメージを抑えられる可能性も。皮膚科医の野村有子先生に、ニキビ痕の種類と原因を聞いた。(野嶋敦子)

 

「ニキビ痕」が消えない…

毎朝、鏡を見るたび、いつまでたっても消えない「ニキビ痕」にため息をついた経験はないだろうか。高校生に肌の悩みを聞くと「へこんでしまった小さいニキビ痕がある」(高3男子)など、ニキビ痕が消えずに悩む声が多く挙がった。

野村先生によると、「ニキビ痕には、色素沈着タイプ、赤みが残るタイプ、皮膚がへこむ(クレーター)タイプ、硬く盛り上がるタイプ」があるという。

ニキビ痕がなかなか消えない…(写真はイメージ)

【色素沈着タイプ】日本人がなりやすい状態

色素沈着タイプは、肌や毛髪の色を決めるメラニン色素を生成する細胞であるメラノサイトが炎症によって傷ついた時に起こりやすく、日本人をはじめとする黄色人種の肌では特に発生しやすい。

「ビタミンCを含む食材を意識して取り入れましょう。ビタミンC配合のローションで肌を整えるのもおすすめします。あわせて紫外線対策も徹底しましょう」

ビタミンCを取り入れて対策(写真はイメージ)

【赤みタイプ】炎症が進んでいるサイン

赤みは、毛穴の詰まりや皮脂分泌の影響で炎症が続いている時に出やすく、ニキビをつぶしたり、長く放置したりした時にも症状が悪化する。

「赤みが続くようなら、炎症が進んでいるサイン。皮膚科で炎症を抑える薬を処方してもらうのが安心です」

【皮膚がへこむタイプ】手でいじって悪化が原因

皮膚がへこむタイプは、炎症が長引いた時や手でいじって悪化させた時に起こりやすい。盛り上がるタイプは、炎症の長期化や刺激に加え、生まれつきの体質も関係する。

「へこみや盛り上がりが見られる場合も早い段階で皮膚科に相談し、適切な治療を受けると、肌へのダメージが最小限に抑えられます」

痕になる前に受診しよう

ニキビ痕はニキビの炎症が進行し、皮膚の組織が壊れた状態。いったん痕ができると、治療には手間と費用がかかってしまう。

ひどくなる前に病院へ(写真はイメージ)

「レーザー治療やレチノールを使用する方法もありますが、費用や肌への負担を考慮すれば、高校生にとっては現実的とは言えない治療法です。ニキビに気づいたら、自分で対処するのではなく、ひどくなる前に早めに皮膚科を受診するのが大事です」

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野村有子先生 のむら・ゆうこ 皮膚科専門医。医学博士。野村皮膚科医院院長。肌の状態に応じた丁寧な診療とスキンケアや生活指導に定評がある。著書に『アトピーカウンセリング』『図解 スキンケア: 正しいスキンケアから皮膚病治療へ』(南山堂)など。