高校生世代の多くが抱えるニキビの悩み。なぜできてしまうのか、どうすれば予防できるのか、知っておけば不安も軽くなるかも? 皮膚科医の野村有子先生にニキビを防ぐための生活習慣について聞いた。(野嶋敦子)

 

「ニキビ」に悩む高校生が多数

高校生世代の思春期は、ニキビに悩みやすい時期でもある。高校生新聞が中高生に、「肌の悩み」について聞いたところ、「ニキビ」について悩む声が多数挙がった。

「ニキビ」の悩みを抱える高校生は多い

【原因は?】皮脂の過剰な分泌

なぜニキビになってしまうのだろうか。野村先生によると、主な原因として「皮脂の分泌が過剰になる状態」と、「肌のターンオーバー(新陳代謝)が正常に働かなくなる状態」の二つだという。

思春期から20歳前後にかけては、ホルモンバランスの変動により皮脂の分泌がさらに促進され、肌に油分が過剰に蓄積されやすい。新陳代謝が停滞すると古い角質が毛穴をふさぎ、皮脂が多くなった毛穴にニキビ菌が繁殖しやすい環境になる。

「肌のメカニズムを理解して、日々の洗顔や保湿のスキンケアを適切に行うと、肌状態の改善とトラブルの予防になります」

【食事】脂っぽい、甘いものは量を控えて

ニキビを予防するためには、日々の生活習慣を整えるのが重要だ。特にバランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理、早めの皮膚科受診の五つがポイントとなる。

食事は肌の健康に深く関わっており、油っぽいものや甘いものを多く取ると、皮脂の分泌が増えやすくなる。

「例えば、チョコレートなら1日2個、アーモンドなら5粒程度に抑えて量を制限してみましょう」

チョコレートは1日2個までに抑えて

【睡眠】夜11時までに就寝しよう

睡眠は肌の新陳代謝を正常に保つために欠かせない。

「肌の再生が活発になるのは、夜10時から深夜2時の間とされています。 受験生は勉強があるかもしれませんが、夜11時までに寝て、朝早く起きて勉強する方がいいでしょう。6〜7時間の睡眠を心掛けましょう」

夜は11時までに寝よう

【運動】汗をかく習慣で肌を整える

運動もニキビ予防に効果的だ。血行が良くなり、肌の代謝が活発になる。「汗をかくと毛穴の汚れが排出されやすくなり、肌の調子が整いやすくなるんです。汗は保湿成分の一つでもあるんですよ」

ただし、汗のかきっぱなしはNG。運動後は汗をしっかり洗い流し、清潔な状態を保とう。

運動もニキビ予防に効果的

【ストレス管理】適度に休息をとろう

ストレスの管理も忘れてはならない。「ストレスがたまるとホルモンバランスが乱れ、皮脂の分泌が増加する可能性があります。音楽を聴いたり、自分の好きな活動に没頭したりしてストレスを減らしリラックスするようにしましょう」

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野村有子先生 のむら・ゆうこ 皮膚科専門医。医学博士。野村皮膚科医院院長。肌の状態に応じた丁寧な診療とスキンケアや生活指導に定評がある。著書に『アトピーカウンセリング』『図解 スキンケア: 正しいスキンケアから皮膚病治療へ』(南山堂)など。