店頭にズラリと並ぶ日焼け止め。種類が多すぎて何が一番自分に合っているか、迷う時はないだろうか。皮膚科医の野村有子先生に、自分に合った日焼け止めの選び方や効果の高い塗り方を聞いた。(野嶋敦子)

 

 

日焼け止めってどれを選べばいいの?

紫外線は365日降り注ぐため、日焼け止めは毎日のケアに欠かせない。高校生新聞が中高生に「肌の悩み」を聞いたところ、「日焼け」を挙げる声が多かった。「日焼け止めの種類が多いので、実際にどれを選べばいいかわかりません(高2女子)」と選び方に戸惑う声が挙がった。

日焼け止めってどれを選べばいいの?

【数値の見方】活動シーンに合わせて選ぼう

自分に合った日焼け止めを選ぶために、まずは、表示されている「SPF」や「PA」の数値の意味を把握しよう。野村先生によると、「それぞれ防ぐ紫外線の種類が違う」という。

PAは、肌の奥に届いてシミやシワの原因になる紫外線「UVA(紫外線A波)」を防ぐ強さを示している。「+が多いほど効果が高くなります。日常生活ではPA++~+++、アウトドアではPA+++~++++を選びます」

SPFは、肌表面にダメージを与える紫外線「UVB(紫外線B波)」を防ぐ目安だ。「通学や買い物の時にはSPF30前後で十分ですが、炎天下での活動にはSPF50+を選びたいところです」。UVAとUVBの両方を防ぐタイプを選ぶと、紫外線全体への対策につながる。活動シーンに合わせて日焼け止めを選び、使い分けてみよう。

日焼け止めは活動シーンに合わせて選ぼう

【種類】肌の状況や用途で選ぼう

日焼け止めには、大きく分けてミルク、ジェル、スプレー、クリームの4種類がある。

「ミルクはなじみやすく、ジェルはさらっとした感触が特徴。ジェルタイプは特にニキビがある人にはおすすめです。スプレーは塗り直しに便利で、クリームは保湿力が高いため乾燥肌の人に向いています」

ニキビが気になる人は、毛穴をふさぎにくいノンコメドジェニック処方の製品で、紫外線吸収剤が入っていないタイプを意識すると、肌への刺激を抑えやすい。

紫外線吸収剤は、肌の上で紫外線を吸収し、熱などに変えて紫外線から守ってくれる成分だ。紫外線吸収剤を含まないタイプなら、肌への刺激も少ない。

自分に合った日焼け止めを選ぼう

【適切な量】少なすぎ注意

日焼け止めには、適切な量と使い方がある。

「指の関節一つ分」が片手の甲程度の範囲に適した量だ。顔全体には、その倍量が必要。「もったいないから……」と使う量が少なすぎると、じゅうぶんな紫外線を防げないので注意しよう。塗りムラを防ぐためにも、1度指の関節一つ分を塗った後、もう一度同じ量を重ねて塗る2度塗りがよい。

指の関節一つ分=手の甲の量だ

【塗るタイミング】2~3時間で塗りなおそう

肌に塗るタイミングは、朝のスキンケア後と日中の外出前に使用するのが基本だ。

「日焼け止めは一度塗って終わりではなく、2〜3時間ごとに塗り直すことが望ましいです。特に部活動や屋外での活動の前には、再び塗ることで紫外線から肌をしっかり守られます」

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野村有子先生 のむら・ゆうこ 皮膚科専門医。医学博士。野村皮膚科医院院長。肌の状態に応じた丁寧な診療とスキンケアや生活指導に定評がある。著書に『アトピーカウンセリング』『図解 スキンケア: 正しいスキンケアから皮膚病治療へ』(南山堂)など。