「毛穴の黒ずみは取れるのか」という声が高校生から届いた。間違ったケアをすると、悪化する可能性も。皮膚科医の野村有子先生に、毛穴が黒ずむ原因や改善策を聞いた。(野嶋敦子)

 

毛穴の黒ずみが消えずに悩む

洗っているはずなのに、気づくとできている「毛穴の黒ずみ」。高校生に肌の悩みを聞くと、「鼻の毛穴の黒ずみが気になる。完璧にとる方法はあるのでしょうか」(高1女子)と、なかなか消えない状態にやきもきする声が多く挙がった。

【原因は?】角質や皮脂の酸化

どうやってケアをすればよいのだろうか。野村先生によると、毛穴の黒ずみは「古い角質や皮脂が毛穴にたまり、酸化して黒く見える」のが主な原因だという。「特に皮脂の分泌が活発な思春期は、毛穴の詰まりを起こしやすいです」

思春期は毛穴が詰まりやすい(写真はイメージ)

【対策は?】肌に優しい洗顔と保湿を

対策としては、「肌に合う洗顔料」で角質を丁寧に洗い流し、「油分の少ない保湿剤」で肌のうるおいを保つ習慣をつけるのが基本だ。

自分の肌に合わせて洗顔料やスキンケア用の製品を選ぼう。初期段階のニキビができにくい「ノンコメドジェニック処方製品」がおすすめだという。

5~6秒を目安にクリーミーできめ細かい泡を作り、優しく洗うがポイントだ。なでるようにさっと洗い、顔全体をさっとすすごう。

肌に合う洗顔料でさっと洗おう(写真はイメージ)

「保湿をしてうるおいをしっかり保てば、毛穴が目立ちにくくなり、肌全体の調子も整いやすくなるものです」。2週間に1回程度、肌の表面にある古い角質を取り除く「ピーリング」を取り入れるのも有効だという。角質を除去する効果のあるピーリングジェルなどのケア用品は市販で購入できる。毛穴の詰まりを改善させる薬「アダパレン」も有効で、皮膚科で処方してもらえる。

毛穴パックはやりすぎ注意

「毛穴が目立たなくなる」などとうたわれる毛穴パック。SNSで注目を集め、興味を持って試す高校生もいるが、「使えば使うほど毛穴が目立たなくなる」という情報を信じるのは危うい。

毛穴パックはほどほどに

「1週間に1回か2週間に1回程度なら問題ないと思いますが、それ以上になると、毛穴の奥にいる常在菌が刺激されるだけでなく炎症も起こして、肌トラブルのもとになってしまいます」

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野村有子先生 のむら・ゆうこ 皮膚科専門医。医学博士。野村皮膚科医院院長。肌の状態に応じた丁寧な診療とスキンケアや生活指導に定評がある。著書に『アトピーカウンセリング』『図解 スキンケア: 正しいスキンケアから皮膚病治療へ』(南山堂)など。