俳優の神尾楓珠さんに高校生記者がインタビュー。神尾さんは、落ち込むと引きずりがちであることに悩んでいる高校生に、前向きなメッセージを届けてくれました。(取材・高校生記者・手塚つむぎ=3年、文・中田宗孝、写真・幡原裕治)

気落ちしたら次のステップに生かす

―高校生から悩み相談が届いています。「つらい出来事があったり、一度落ち込んでしまったりすると引きずってしまいます。そんなとき、気持ちをどう切り替えていますか?」

「仕事で上手くいかなかったなぁ…」なんて気落ちすることは、今の僕にも全然あります。そんなとき、こう考えているんです。「これが今の自分の実力だな」と。

神尾楓珠さん(スタイリスト:杉本学子(WHITNEY)、ヘアメーク:菅井彩佳)

仕事が上手くいかなかったら、自分の本来の実力を発揮できなかったんじゃなくて、それが僕の「今」の実力。自分の現在地をしっかり自覚することで、次のステップに生かすようにしているんです。

―それが神尾さんの切り替え方なんですね。高校時代からその思考を実践していたのでしょうか?

いえ、友だちとケンカしてしまったときは、落ち込んで何日も引きずってしまいましたし…。後悔している出来事もあります。

高校生のころ、僕は風紀委員だったので、教室でスマホをイジっていたクラスメートを注意したら、逆ギレされてしまったんです。それで僕も強い口調で言い返してしまい、そのクラスメートと関係が悪くなってしまったんです。

高校生記者(左)の質問にていねいに応える神尾楓珠さん

今思えば、一時の感情に流されず、冷静に話し合いをすれば、2人の関係がこじれることがなかったなって。あのとき、一つ間をおいて、気持ちを切り替えて考えられる自分でいられたらなと思うんです。

役との向き合い方が変わった

―主演映画「20歳のソウル」では、市立船橋高校(千葉)の吹奏楽部員だった実在の人物を演じていますね。

これまで多くの架空のキャラクターを演じてきましたが、今作で実在の人物の人生を生き、自分の役との向き合い方が変わったんです。誰かの人生を演じることがどんなに大変で、責任あることなんだと気付かされました。今作での役づくりを経験し、例えフィクションでも誰かの人生を演じているんだという意識をしっかり持つようになりました。

映画「20歳のソウル」より。神尾さんは吹奏楽部員を演じた

―神尾さんが演じる、故・浅野大義さんは、どんな人物でしたか。

役づくりにあたり、浅野さんの恩師である吹奏楽部の顧問の先生に話をうかがいました。部内でどんな生徒だったのか教えてもらったんです。彼は、とても真っ直ぐな性格で友だち思いで、誰からも愛されていたとうかがい、演じる自分も、そんな浅野さんの人柄をブレず表現できるように演じようと思いました。

かみお・ふうじゅ

1999年1月21日生まれ。東京都出身。2015 年に俳優デビュー。主な出演作は、ドラマ「3 年A組―今から皆さんは、人質です―」「顔だけ先生」、映画「うちの執事が言うことには」「彼女が好きなものは」ほか多数。主演を務めた映画「恋は光」の公開を6月17日に控える。

「20歳のソウル」

市立船橋高校吹奏楽部のトロボーン奏者の浅野大義(神尾楓珠)は、甲子園を目指す野球部のために、オリジナル応援曲「市船soul」を作曲する。吹奏楽部がスタンドから演奏する「市船soul」は、やがて勝利を招く“神応援曲”と呼ばれるようになった。卒業後、大義は、尊敬する吹奏楽部顧問の高橋先生(佐藤浩市)のような教師を志して音大へと進学。だが、大義の体を病魔がむしばみ……。配給:日活。5月27日より全国公開。

(C)2022「20 歳のソウル」製作委員会