センター試験に代わり、2021年度入試より新たに導入された「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」。2度目の実施となる22年度入試に向けて、数学の学習で押さえておきたポイントを河合塾教育研究開発本部の近藤治さんのアドバイスをもとにまとめました。

新傾向の問題を解く際に大切なことは?

 

2021年度の共通テストでは、センター試験に比べると問題文の文章量が増加しました。2次関数で100m走、ベクトルで正十二面体が扱われるなど、題材も多様化しています。

このような新傾向の問題に対応するには、問題文の中に書かれている条件や、正解を導くために必要なヒント、何が問われているのかを素早く読み取る読解力が求められます。日頃から新聞などで長い文章に触れ、「この文章の論点はどこか」を考えながら読む訓練をしておくとよいでしょう。

応用問題にも対応できるようにするには?

基本事項を応用して正解を導けるようにするには、基本事項をただ覚えておくだけではなく、それらをきちんと理解しておくことが重要です。

定理・公式は、どのように証明されたものなのかを理解した上で十分な量の問題演習に取り組み、使いこなせるようにしておきましょう。

 

 

直前期にやるべきこと、やらないほうがよいことは?

数学に限ったことではありませんが、直前期の学習では新しい問題集などに手を広げるのではなく、これまでに受けた模試などを見直して自分の苦手分野をしっかり復習することを心がけてください。

数学では、データの分析など、2021年度はセンター試験と傾向があまり変わらなかった分野もありました。センター試験の過去問に取り組む際は、年度ごとに取り組むことにこだわらずに、自分の苦手な分野に重点的に取り組むようにするのも一つの方法です。

 

 

近藤治さん
 
 
学校法人河合塾教育研究開発本部主席研究員。河合塾入塾後、教育情報分析部門で大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。マスメディアへの情報発信、生徒、保護者、高校教員対象の講演を多数実施。
 
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