センター試験に代わり、2021年度入試より新たに導入された「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」。2度目の実施となる22年度入試に向けて、理科の学習で押さえておきたポイントを河合塾教育研究開発本部の近藤治さんのアドバイスをもとにまとめました。

直前期にやるべきことは?

 

理科の共通テストでは、全般的に思考力・判断力が問われる傾向がみられますが、教科書に記載されている基本事項・知識を確認する問題も多く出題されています。

グラフや表のデータなどを読み取る問題でも、基本的な知識を組み合わせて解いていくことになるため、まずは基本事項を確実に身につけることを心がけましょう。その上で、共通テストやセンター試験の過去問、共通テスト対策問題集などを利用して、問題演習を十分に重ねておくことが大切です。

実験・観察に関する問題対策のポイントは?

共通テストでは実験・観察や探究活動の内容が扱われる可能性も高いため、教科書の「実験」「参考」「探究活動」のページに記載されている内容もしっかり読んで理解をしておくことをおすすめします。

「なぜそうなるのか」という原理や背景まで押さえておくことで、理解が深まります。用語に関しても丸暗記するのではなく、その意味や他の事項との関連性などをよく確認しておいてください。

 

 

時間内に解答するために注意すべき点は?

教科書には記載されていない反応や現象、実験などを取り上げた問題では、与えられた情報をもとに考察・分析する力が問われるため、解答に時間がかかることが予想されます。

試験本番は時間との戦いになるため、そのような問題に時間をかけすぎてしまうと、確実に正解できたはずの問題に手が回らなくなってしまうおそれがあるため注意が必要です。

まずは試験の問題全体に目を通して、確実に解答できる問題に解答した上で、熟考が必要となる問題に取り組むようにしましょう。

 

 

近藤治さん
 
 
学校法人河合塾教育研究開発本部主席研究員。河合塾入塾後、教育情報分析部門で大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。マスメディアへの情報発信、生徒、保護者、高校教員対象の講演を多数実施。
 
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