センター試験に代わり、2021年度入試より新たに導入された「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」。2度目の実施となる22年度入試に向けて、英語の学習で押さえておきたポイントを河合塾教育研究開発本部の近藤治さんのアドバイスをもとにまとめました。

リーディング対策のポイントは?

 

共通テストは読む分量が多いため、速読力が大事です。

直前期の問題演習では、まず設問や選択肢に目を通し、本文中で解答に関係のある箇所を素早く見極める練習をしておきましょう。文法・語法は、センター試験のように独立した設問としては出題されませんが、英文や選択肢の内容を正確に理解する上で必須の知識となるため、基本事項をしっかり押さえておく必要があります。

リーディング問題で正解となる選択肢は、多くの場合、本文の内容そのままではなく、別の表現に言い換えられています。実戦形式の問題に取り組むことで、書かれている情報を正確に読み取って整理した上で、適切な選択肢を選ぶ練習を十分にしておくことをおすすめします。

 

 

リスニング対策のポイントは?

リスニングの力をつけるには、日頃から英語の音に耳を慣らしておくことが大切です。

単語を学習する際はCDやスマホアプリなどの音声教材も活用しながら覚えるようにして、自分でも口に出して発音してみる習慣を身につけるとよいでしょう。一度聞いてわからない場合は、すぐにスクリプト(読み上げ文)を見るのではなく、音声をくり返し聞いて理解することを心がけてください。英語特有の「消える音」や「変化する音」に注意しながら聞くのがポイントです。

共通テストのリスニング問題は「1回読み」と「2回読み」が混在します。また、図表などを正しく読み取り、聞き取った情報を重ね合わせて判断する力が求められる問題では、目と耳それぞれから得た情報を素早く処理しなければなりません。共通テスト用のリスニング対策教材に取り組んだり、模擬試験を受験したりして、形式に慣れておきましょう。

 

 

近藤治さん
 
 
学校法人河合塾教育研究開発本部主席研究員。河合塾入塾後、教育情報分析部門で大学入試動向分析や進学情報誌の編集に携わる。教育情報部部長、中部本部長などを経て、2021年4月から現職。マスメディアへの情報発信、生徒、保護者、高校教員対象の講演を多数実施。
 
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