性格は人それぞれですが、繊細な人と鈍感な人では価値観が違うこともあり、時には勘違いを生んでしまうことがありますよね。今回は4人の高校生記者に集まってもらい、どうしたらお互いが分かりあえるのか話し合ってもらいました。前回の記事はこちらから。

座談会に参加してくれた高校生記者

Aさん(1年)

鈍感さん。失言が多いのが悩みで解決法を探している。

Bさん(3年)

鈍感さん。よく「空気を読め」といわれるが、空気を読むとは何なのかが分からない。

Cさん(2年)

繊細さん。相手のちょっとした表情や声のトーン、言葉遣いの変化を気にしすぎてしまう。

Dさん(2年)

繊細さん。他人が気付かない小さなことが必要以上に気になってしまう。

声のトーンや表情も大切

―鈍感さんは言いたいことをストレートに主張できるけれど、時に友達を傷つけてしまう伝わり方になってしまう。逆に繊細さんは、相手の気持ちを読みすぎてコミュニケーションにためらいが出ることがあるということですね。

B 私は無意識に人を傷つけてしまう発言をしちゃう鈍感なタイプ。繊細さん側の立場からすると、強く言ってきてしまう鈍感側に「こうして欲しい」など、あったりしますか?

A 私も鈍感側なのですが、相手が傷つかない様に言葉の表現を工夫するのも大事な気がします。

B そうですよね。発言するときもっと相手のこと考えて、「すぐ言葉を出さないようにした方がいいかな」って考えたこともあります。

A あとは……「敬語で話す」とかでしょうか……? 

―繊細さん側のCさん、Dさんはどう思いますか?

C 私は言葉遣いだけじゃなくて、「声のトーン」とか「表情」とかもすごく気にしてしまうので……。それらが穏やかであれば、強い言葉遣いでも「怒っていないんだ」と気づけるかもしれないです!

D わかります。私の場合は、強く言われると「怒っているのかな」って思ってしまいます。「強いな」って思ったら、声のトーンとかを優しめにしてくれたらいいかなと思います。

B なるほど! そういえば確かに、怒っていないのに「怒ってる?」と聞かれることがありますね……。

怒ってないのに…!

思いや不満は言葉にしてほしい

―Bさんは逆に繊細さん側に対して不満に思っていることはありますか?

B そうですね……。「何か思うこと、嫌なことがあるならはっきり言ってほしい」とか、ですね。

C ……はっきり言い返すことで、「私が相手を傷つけてしまったらどうしよう」と思って言えないんです……。

A それでも、何を考えているか、もう少し言葉にして欲しいと感じます。

C そうなんですね。勇気を出して、思いをちゃんと伝えられるように心がけたいです。

―Dさんは鈍感さん側に対して思うことはありますか?

D 私は、プライベートなことや聞かれたくないことなどがあるときに、踏み込んで聞いてこられると少し傷つきます。

―人には触れられたくない部分、話したくないことがありますよね。どこまでなら聞いてよいことか、相手は不快じゃないか、念頭に置くことが大事そうです。

言葉にして伝えるのが大切

繊細・鈍感で助け合っているのかも

―繊細さん側が鈍感さんに対して聞きたいことは?

C 鈍感さんは繊細な人たちを「めんどくさいな」って思ったりしませんか? 私はすぐ落ち込んで体調を崩して、周りに心配をかけてしまうんです。「どう思われているんだろう」と考えます。

B 鈍感な私からすると、細かいところまで気にできて「いいな」と思うこともあります。けれど、細かい部分を気にできるからこそ、「大変だろうなあ」とも思います。

確かに、「何でそんなに気にするんだろう」って思うときもあります。ですが、気をつかえるからこそ助けられている人もいるんじゃないかなって思います。

C 確かに、私は強く意思を伝えるのは苦手なので、周りを気にかけて支える立場に立つことが多いですね。だからこそ、自分の意見を強く言える人たちには、思いを代弁してくれたり、助けられていたりすることがあります。繊細さんと鈍感さんは、案外気付かないうちに助け合っているかもしれないですね!

―お互いが何を思い、感じながら生活しているかが分かる座談会になったと思います。皆さんはどんな気持ちになりましたか?

B 今日のお話で繊細さんがどう感じているのかが、少しですが分かりました。教えてもらったことを基に気をつけてみようかな。

C 私も鈍感さんの考えを聞ける機会は今回が初めて。いろいろな考え方が知れたので、これからの人との関わり方に少し自信が持てました。

【後日談】少し考え方を変えれば気持ちが楽に

―座談会から1カ月ほど経ちました。皆さんの中で変化があれば教えてください。

C 座談会後は、やっぱり自分の気にしすぎな部分が多いなと感じ、相手の言動を「マイナスに捉えすぎ」てしまっていたと気付きました。今は、相手の様子で少し気になることがあっても、気楽に考えることができるようになりました!

D 「嫌なことや思ってることを言葉にしてほしい」という意見があったので、少しずつ自分の考えなどを言うようにしてみました。友達は私の意見などを積極的に聞いてくれるので話しやすいと感じていて、今後もきちんと伝えていこうと思います。

B 私は話すときの声のトーンに気をつけるようにしました。そうすると「怒ってる??」って勘違いされないようになりましたよ!