性格は人それぞれですが、繊細な人と鈍感な人では価値観が違うこともあり、時には勘違いを生んでしまうことがありますよね。今回は4人の高校生記者に集まってもらい、どうしたらお互いが分かりあえるのか話し合ってもらいました。
-
座談会に参加してくれた高校生記者
Aさん(1年)
鈍感さん。失言が多いのが悩みで解決法を探している。
Bさん(3年)
鈍感さん。よく「空気を読め」といわれるが、空気を読むとは何なのかが分からない。
Cさん(2年)
繊細さん。相手のちょっとした表情や声のトーン、言葉遣いの変化を気にしすぎてしまう。
Dさん(2年)
繊細さん。他人が気付かない小さなことが必要以上に気になってしまう。
落ち込んだ子の近くではしゃいでしまい…
―皆さんは、それぞれなぜ自分が「繊細」「鈍感」だと思いますか?
A 私が自分を「鈍感」と思う理由ですが、寝不足だったりすると失言をすることが多いからです。つい親に当たるような発言をしてしまったり、答えが出ないようなことを聞いて絡んだり……。
B なるほど。私も鈍感なタイプなのですが、寝不足だと失言してしまうのはよく分かります。よく「空気読めないね」と言われたり、人の変化に全然気が付けていないなと自分自身で感じたりします。
D 体調で感じ方が変わるのは共感します……。
―Bさんはなぜ「空気が読めない」って言われたのですか?
B 例えば、他の女子グループの子たちに何かあったみたいで、めちゃくちゃ落ち込んでいるのに、そのそばですごいはしゃいでしまって……。
後日、学級日誌に小さく匿名で「空気が読めない子たちだなって思いました」と書かれていたんです。他の女子グループの子たちが落ち込んでる状態なのが、私には分からなかった上に気が付きませんでした。
C 私は反対に繊細なタイプなのかな。友達のちょっとした言葉が頭に引っかかり、「嫌われてしまったんじゃないか」と悩んでしまいます。周りにも「気にしすぎだよ!」と言われることが多いので……。Aさんのように、私も体調が不安定だったり緊張していたりするときなど、繊細さが増している気がするかも。
友達の言葉にすぐ落ち込む
―Aさんは、友達のどんな言葉が引っかかるのでしょうか。
C いつもと髪型を変えたときに、友達に「今日どうした?!(笑)」と言われたりするんです。相手は「いつもと髪型違うね」って言いたいだけなのに、その時の自分の中では「馬鹿にされちゃった」「変だったかな」とすごく気にして落ち込みます。
―言葉の裏を探って、相手の気持ちをいろいろ想像しちゃうのは繊細さんの特徴かもしれませんね。
D 他の人が気づかないことに気づき、そう友達にもよく言われるので、Cさんと同じ繊細なほうだと思います。
―どんなことに気付くのですか?
D 私は初対面の人と話すときによく「手」を見ているみたいです。以前にクラス替えの際に、話した相手が「手を握りしめていたり隠していたり」していて。「相手に警戒心を持たれているのではないか……」と思い、不安になったということがありました。
ほかの人はあまり手を見ないと思います。ですが、私は気にしてしまうので、話すのをためらったり、打ち解けるまでに時間がかかったりします。
―手の動きから相手の気持ちを感じ取ろうとしているのですね。
自分の主張も相手への配慮も大切
―相手の変化や様子にそれぞれ「気が付きすぎる」「気が付かない」ことで、それぞれコミュニケーションのやりづらさを感じているようですね。逆に、ご自身の性質で良かったと感じることはありますか?
C 周りの人の変化によく気づくので、悩んでいそうな友達には声をかけています。すると、友達から感謝の言葉をかけてもらえるんです。こういう瞬間は繊細で良かったと思います!
A 悩みを打ち明けてもらえるのは仲が深まりそうですね。
―繊細さんの「気付き」を上手に使うと人付き合いに良い効果が出ますね。Bさんは?
B 私は鈍感で良かったと思うのは、相手のことをいちいち考えずに突っ走ったりできることですね。それは良い点でもあり、悪い点でもあるなと自分では思っているんですけど……(笑)
D 私は相手が傷つかないように言葉を考えながら話すので、自分から相手を怒らせたり不快な思いをさせたりするのが少ないことです。でも、Bさんのように自分の言いたいことを正直に言えるのは羨ましいです!
B 自分の言いたいことを言えるのはいい点だなとは思っているんですけれど、無意識で人を傷つける発言をしてしまったりするんですよね……。しかも傷つけたことにすぐ気が付かなくて、後々「傷ついた」って言われてしまうことがあります。
D なるほど……。
A 相手が傷つかないための配慮のさじ加減って難しいですね。
B そうですよね、それがよく分からなかったりするんです。
相手を傷つけたくないのに
―自分の主張をすることも大事だし、相手の立場に立った言葉を選ぶのも大事ですね。
C 私の友達になんでも強く言える子がいます。確かに、その子の言葉で傷ついたことは何度かあります。でも後々話していくうちに「傷つけるつもりじゃなかったんだ」って気づきました。伝え方、コミュニケーションはとても難しいですよね。
B そうなんです。「傷つけようとは思ってなかったのに!」ってことが多いです。……こういう場合は、「強く言っちゃうけどさ」とか先にワンクッション置いたりした方がいいのでしょうか?
C うーん、それだと「強く言いたいんだ」って余計傷ついちゃうかもです(笑)
B なるほど! ありがとうございます。
―「強く言ってしまった」「意図した伝わり方になっていなかった」と感じたら、そう気付いたときにフォローできればよいかもですね。逆に、言葉の受け取り手側も、相手が強く言える子だと分かっていたら「傷つけようとして言ってるわけじゃないかも」という視点も持てればよいのですが……。
(続きます)