流ちょうな英語力を持つお笑い芸人のゆりやんレトリィバァさん。2019年にアメリカのオーディション番組でダンスパフォーマンスを披露、最近ではドラマ「ドラゴン桜」で英語教師役を演じるなど、話題呼びました。今年7月3日、留学に興味がある高校生対象のオンライン交流イベント「せかいに友達をつくろう!」に登壇。英語と笑いを交えながら、自身の経験や、英会話での失敗を恐れないためのアドバイスを高校生に伝えました。(文・竹内優衣、写真提供・「トビタテ!留学JAPAN」事務局)
アメリカへの憧れは映画がきっかけ
―アメリカで仕事をしたいと思ったきっかけは何ですか?
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」! 中学生のときに見て、主人公のマイケル・J・フォックスを好きになり、そこからアメリカや映画の世界に憧れるようになりました。
「映画監督やメイクさん、映画配給会社の人になってアメリカで仕事したい」という思いと同時に、「お笑い芸人になりたい」という夢もありました。
今はお笑い芸人をやっていますが、お仕事をする中で、自分の興味や好きなことが仕事につながることが分かってきて。だから「アメリカに行きたい」っていう夢も、あきらめるべき夢ではなかったって思えたことがきっかけだと思います。
NYに3カ月滞在、英語力が向上
―海外進出して大変だったことを教えてください。
仕事で6年前に3カ月ニューヨークに滞在し、ルームシェアをしていました。英語が好きでしゃべれるつもりで行ったけど、実際は全然伝わらないし、分からなくて、ふさぎ込んでしまうこともありました。
でも、3カ月の滞在が終わる頃に、ルームメイトとしゃべっていたら、入ってきた英語を頭の中で日本語に訳さなくても、英語で理解して、話して、大笑いしている自分に気づいたんです。英語を使い、話し続けることで、こんなに分かるようになるんだって思えたことは大きかったです。
米国での本番「緊張してもしょうがない、楽しもう」
―2019年にアメリカのオーディション番組「アメリカズ・ゴット・タレント」に出演し国内外で話題になりました。出演のきっかけと当時の気持ちを教えてください。
仕事で3カ月滞在した後も「アメリカに行きたい、行きたい」って言っていたのですけど、「口先だけで何もしてないやん」って思ったんですね。
それで「なんかやらなあかんな」って思って調べていたら、ちょうどアメリカズ・ゴット・タレントのエントリーが始まっていたんです。それでオーディションを受けて、出演したという感じです。
当時はそれに賭けるというよりか、「行けたらいいな~」くらいの気楽な気持ちで行って。アメリカの本番も、最初は緊張しそうでした。ですが、広い宇宙にいっぱい星がある中の一つの地球。さらにその地球の中の一つの国で、一人の人間が「ふぅ」とか思って緊張していても、「イルカとかからしたらどうでもええことなんやろなー」とか考えて。
行きたいと思っていた所で緊張してもしょうがないから「楽しもう」と思っていたのを覚えています。
間違えても恥ずかしくない、とにかくスマイル
―英語を話すときに気を付けていることはありますか?
気を付けることは一切「nothing」です!
中学校の英語の教科書の1ページ目に「間違えても恥ずかしくありません」って書いてあったのが印象的で。そこから言葉を知らなくても声に出したり、思いついたことをとにかく言ったりするようにしています。あと映画で聞いた表現を言ってみるとか。
それでも言葉が出てこなかったら、「ah」とか「um」とか言って、言葉を途切れさせないようにしています。それとスマイル! 分からなくてもスマイル! 間違ってもスマイル! 分からなくても笑っていたら助けてくれるし、むすっとしているよりは絶対いいと思います。
間違えても人生終わりじゃない
―失敗を恐れて足がすくんでしまうようなとき、どうしていますか?
ひな壇で「今出られたのにな」って思うこといっぱいあるんです。けれど、そう思いたくない。だから、とにかくやってみる! 失敗したとしても後で笑い話になるし、間違えたとしても人生それで終わりじゃない。
間違ったってどうでもいい。“I don’t mind. I don’t care!” て感じです。もし誰かが笑ったとしても、「ふん。笑っとけば。暇ですね」くらいのスタンスでおればええんですよ。
―ドラマ「ドラゴン桜」で英語教師役を演じておられましたが、もしいま英語の授業を持つとしたらどんな授業にしたいですか?
豊かな表情と共にしゃべるとか、なりきるのが一番大事だと思うので、単語・文法と共に「なりきり」っていうもう1個のジャンルを専門にできたらうれしいですね。I wanna be a specialist of なりきり!
―海外を志す学生に英語でメッセージをお願いします。
I think you have a dream and big future. Please do it and challenge everything! We wanna support you! Your family, friends... Um...I’m sorry...(英語に詰まり、泣きそうな顔を伏せたかと思うと変顔で)Try it!
-
ゆりやんれとりぃばぁ
1990年11月1日生まれ。奈良県出身。2011年、吉本養成所NSCに35期生として入学。2015年、番組の企画でニューヨークに3カ月滞在。2017年、日本テレビの「女芸人No.1決定戦THE W」優勝。2019年にはアメリカのオーディション番組「America’s Got Talent」に出演し話題に。2020年、ロサンゼルスに滞在。今後、アメリカでの活動も視野に入れている。
-
文部科学省の官民協働留学促進キャンペーン。海外留学する高校生、大学生を倍増する目標を掲げてスタート。主な取り組みである「日本代表プログラム」は、民間の寄附を財源とし、民間企業約250社から120億円以上の寄附を受け、返済不要の奨学金でサポートする留学支援制度。『#せかい部』は、「トビタテ 留学JAPAN」の取り組みのひとつ。学校や地域を超えた同世代が SNSでつながり、海外に関する情報や留学情報 を相互に発信。
リアルな「世界」を知るきっかけをつくる、高校生による高校生 のためのソーシャル部活動。