私は「トゥレット症候群」を患っています。なじみのない病名かもしれませんが、「チック症」と言うとわかる方もいるかもしれません。どんな日常を送っているのか、みなさんにお伝えします。

意識しない咳払い…くせだと思ってたけれど

トゥレット症候群とは、咳払いや首振り、まばたきなどの運動が、意図せずに起こってしまう病気です。私は咳払いを中心に、いくつかの症状があります。

飲んでいる抗精神薬。ときには眠気などの副作用も

初めて症状が出たのは、小学校高学年の頃でした。その時は、顔をしかめる運動チックが中心でした。その後、症状が変化しながら今に至ります。

最初はただのくせだと思っていました。しかし、あまりにも治らない症状をおかしいと感じるようになりました。そうは言っても、何とか日常生活を送れていたので、病院には行きませんでした。

病気だと診断、症状を意識するようになり

高校3年になったある日、担任の先生から呼びだされました。そこで言われたのは、「病院に行きなさい」ということでした。大学受験の際に、音が出ると困るからです。その後、チック症の中でも重度のものを指す、トゥレット症候群と診断されました。

「やっぱりか」とは思いましたが、すぐに病気と向き合うのは難しかったです。診断がついたことで、より症状を意識しストレスを感じたり、図書館に行くことや公共交通機関を利用することを避けたいと思うようになったりしました。

のど飴を舐めて咳払いをしないようにすることがある

トゥレットは、まだ治療法が確立されていません。薬を飲んだり、チックと両立しない別の動きを訓練する行動療法を行なったりしていますが、劇的に改善することはありません。

クラスメートに伝え安心感が得られた

夏休みが明け、私は2つの決断をしました。1つは、場合によってはテストや受験で別室を希望すること、もう1つは、クラスメートにこの病気をカミングアウトすることです。

幸い、クラスメートは温かく受け入れてくれ、先生方からもサポートをいただいています。カミングアウトをしたことで、もう隠さなくていいんだという安心感を得られました。チック症の人にとって、周りの理解ほど大切なことはありません。

近所の風景。きれいな景色を見ると癒される

チック症の人も、そうでない人も安心して過ごせるよう、より多くの高校生にこの病気を知ってほしいです。(みけねこ=3年女子)