私は全身のあちこちに強い痛みが出る「線維筋痛症」を患っています。原因は分からず、周りからも理解を得にくい病気です。(高校生記者・なべたに=1年)

突然の「座っていられない痛み」

私は陸上部の活動、アルバイト、勉強に楽しみながら奮闘しています。ところがある日突然、強い痛みに襲われました。座っていることさえできなくなり、大好きな陸上も続けられず、「全国大会前なのに」と落ち込む日々が続きました。

部活に向かう途中に撮った写真

検査では異常が見つからず、病院を何か所も回りましたが、「ストレス」「自律神経の乱れ」と言われるだけでした。痛みで眠れない夜も続き、ある病院で大学病院を紹介されました。多くの検査を経て「線維筋痛症」だと確定し、治療を始められるようになりました。

痛み止めを飲んでも効果が出ず

線維筋痛症の症状はとても不思議だと感じています。私の場合、全身に強い痛みが出ますが、日によって痛む場所や強さが変わります。つらいのは、激しい痛みがあっても痛み止めの効果が全くないことです。

県大会で優勝し受け取った賞状

最近放送されたドラマ「19番目のカルテ」にも線維筋痛症が登場していました。自分を見ているようにリアルに描かれていて、「もっと多くの人にこの病気を知ってほしい」と思いました。

「気のせい」と言われ自分を責めたことも

病気が分かるまで「気のせい」「考えすぎ」と言われ、自分を責めてしまいました。医師から「元気そうに見える」と言われたこともあります。

痛みが強く、学校へ行けない時期もありました。「陸上はもう続けられない」と考えた時もありますが、今でも痛みは残るものの自己ベストを更新できるほど前向きに過ごせています。

私が痛みを抱えながらも前に進めたのは、周りのサポートがあったからです。

周囲の理解が必要不可欠

線維筋痛症は目に見えない病気で、理解されにくい病気です。しかし、周囲の支えが欠かせません。治療法はまだ限られています。私は投薬治療を受けていますが、今後は鍼灸治療も試す予定です。

私はもっと多くの人にこの病気を知ってもらい、新しい治療法が開発されることを願っています。同じ病気を抱える人が笑って過ごせるように、この病気のことが広く知られるようになってほしいです。

なべたに 栃木県在住。陸上競技部所属、種目は走り幅跳び中心。趣味は音楽を聴きながら本を読むこと。HoneyWorksが大好き。