私の弟は車いす生活を送っています。いわゆる「きょうだい児」の私は、同級生の障がい者に対する目線にモヤモヤしてきました。障がい者に対する偏見が、少しでもなくなるとうれしいです。(高校生記者・なな=2年)

障がいある車いす生活の弟と暮らして

2歳下の弟は、重度身体障がいと発達障がいを持っています。普段は車いすで生活していて、会話はできません。コミュニケーションを取るのは難しいですが、あやすと笑うなど、感情はだいたいわかります。

弟のおかげで、障がいについて周囲の人より理解できているのはよかったと思っています。一方、弟ばかりがかわいがられ、小さなことでほめられているとモヤモヤする時があります。でも、小さい時から仲が良いし、弟も多分私が好きだと思います。

「あの人、足になんかつけてる」

中学生の時、学校の廊下を友達と歩いていると、足に装具をつけている先輩とすれ違いました。友達が「あの人、足になんかつけてる!」と言ったのです。

弟と出かけたときに撮った写真

私は「装具つけてるなぁ」くらいにしか思わず、なぜ友達が「珍しいものを見た」様子なのかわかりませんでした。振り返ると、装具をつけた弟がいるため、見慣れていたのだと気づきました。

ふざけて「ガイジ」と呼ぶ同級生にもやもや

同じ頃、クラスの男子たちが、教室内で「ガイジだ!」という言葉を使ってふざけ合っていました。一人の男子が変な行動をしたときに、「お前、それおかしいだろ」「ばかじゃん!」という、遊びのノリで使っていました。とてもいやな気持ちになって、すごくもやもやしていました。

「意外とちゃんとしてる」友達の言葉で嫌な気持ちに

高校生になってからも、周囲と自分の違いを感じる場面に遭遇しました。学校の活動で特別支援学校の生徒と交流する機会がありました。みんなでバスに乗って特別支援学校に到着したとき、後方から「あ、意外とちゃんとした学校なんだ」という声が聞こえてきました。

「『意外とちゃんとした』って何なの?」と、すごく嫌な気持ちになりました。「特別支援学校がどんなところだと想像していたのだろうか」とモヤモヤしました。

障がい者への思い込み、ありませんか?

交流後の振り返りでは、ほとんどの人が「意外と普通に話したり活動したりできた!」と言っていました。障がい者に対するイメージが良くなっていたことをうれしく感じました。

障がいに対する固定観念は、いつの間にか持ってしまっているものかもしれません。周りに障がいを持つ人がいない方も、思い込みをなくしてほしいと思います。