私は人前でご飯が食べられない病気、「会食恐怖症」を抱えています。教室でクラスメートと一緒に給食を食べられず、学校生活では苦労の連続です。(高校生記者・らぷらす=2年)
教室で給食が食べられない 吐き気に悩まされ
会食恐怖症とは、人前で食事をする際に強い不安を感じ、吐き気などの症状が現れる病気です。私は中3の時に発症しました。給食の時間が来るのが憂鬱(ゆううつ)で、時間が迫ると吐き気がするんです。

クラスメートと同じ空間での給食がつらかったので、病院で診断を受けてからは保健室など誰もいない部屋で、1人で食べていました。中3では修学旅行がありましたが、周りから「なんでご飯を食べないのだろう」と思われるのが怖くて行きませんでした。
周りの視線が気になり苦痛
高校に入学しても、当初は緊張もあって全くお昼ご飯が食べられませんでした。今は約2品だけ入れたお弁当を人の少ない教室で食べたり、2~3人の少人数で食べたりしています。
1年生の時には遠足がありましたが、昼食はバーベキューだったため、大人数での食事が苦手な私は参加できませんでした。

2年生の夏には宿泊行事があり、担任の先生に「サポートするから行こう」と背中を押され、参加してみました。でも、ホテルで出された食事は量が多いうえ、大人数と同じ空間では全く食べられず……。食事が全く減らないため、周りの視線が気になって仕方なかったです。しかし、体調不良を起こすこともなく、なんとか無事に行事を終えられました。
「なんで食べないの?」と聞かないで
周りに会食恐怖症で悩んでいる人がいたら「なんで食べないの?」と言葉をかけるのは控えてほしいです。その言葉は「食べないといけないんだ」とプレッシャーになり、つらく感じてしまいます。「無理して食べなくていいよ」と言われるとプレッシャーがなくなって、意外と全部食べられることもあります。
会食恐怖症はつらいです。でも、病気をわかってくれる人がいるだけでとても心が軽くなります。皆さんの周りに会食恐怖症を抱える人がいたら、理解して手を差し伸べてあげてほしいです。