私は高校1年のときから「摂食障害」という病気と闘っています。高校生でも、きっかけがあれば誰でも発症する恐れがある病気です。水すら飲めなくなったり、たった一口のチョコで過食症に転じてしまったりと、想像を絶するつらさがあります。(高校生記者・ティアラ=2年)

摂食障害には2つの症状がある

摂食障害には、極端な食事制限や厳しい運動により著しく痩せてしまう「拒食症」と、むちゃ食いと体重増加を防ぐために嘔吐(おうと)や下剤乱用を繰り返す「過食症」の2つの症状があります。

一番痩せていたときの自分の腕。皮膚と骨だけのような状態に

私は高校1年の5月に摂食障害と診断されてから2つの症状を行き来して、病気と闘っています。

水分すらも取れず「でもまだ痩せたい」

発症した大きなきっかけは、学校でいじめられたこと。不登校となり、生きがいを失っていました。そのときにテレビで痩せているアイドルを見かけ、「私も痩せたら幸せになれるかも」と思い、ダイエットを始めました。最初はデザートや間食の禁止、積極的な運動など、健康的なダイエットを実践していました。

しかし次第にエスカレートしていき、食事や運動をしないことに恐怖を感じるように。最終的には水分すらも取れなくなりました。体重もどんどん減り、点滴を受けないと死んでしまう状態にまで悪化しました。それでもまだ、痩せたい気持ちは収まりませんでした。

過食に転じ泣きながら食べる日も

拒食症から過食症に転じたのは、机の上に置いてあったチョコレートがおいしそうで一口食べたという、本当にささいなきっかけでした。「何これ。おいしい!」と、ただのチョコなのにびっくりするくらい感動しました。

拒食から一転、食べるのをやめたくても止まりませんでした。当時の1日の摂取カロリーは約5000キロカロリー。本当は食べたくないのに食べてしまう自分が怖くて、泣きながら食べることもありました。

現在は、以前より症状は落ち着いたものの、いまだに毎日3食の食事がつらいです。友達や家族との楽しい食事の時間も、健康だった体も失いました。皆さんには、過度な運動や急激なダイエットはおすすめしません。自分のありのままの体を大事にして、大切な人との食事を楽しんでもらいたいです。

摂食障害の支援の輪を広げたい

最近は症状が少しずつ落ち着いてきて、「同じ病気で闘っている人を救いたい」という強い気持ちが生まれたのです。私の住んでいる県には、摂食障害の専門病院や支援病院がありません。多くの患者が、治療に時間がかかる、周囲に理解されないなどの深い悩みを抱えています。

そこで、今年7月、摂食障害の支援拠点病院設立を求める署名活動を行いました。家族や病院の先生だけでなく、知人や学校の先生方にも協力いただき、私が呼びかけただけで50筆以上の署名が集まりました。たくさんの励ましの言葉をいただき、自分に大きな力を与えてもらいました。これからも支援活動を進めていき、摂食障害の苦しみから早く解放される環境を作り上げていきたいです。