新型コロナウイルスの感染拡大防止のための休校が続いたことで、授業の遅れや生活リズムの乱れなどに不安を感じている人も多いのではないでしょうか。医師として受験生のメンタルケアに取り組む吉田たかよし先生に、高校生から寄せられた悩みへのアドバイスを聞きました。

お悩み:学校からたくさんの課題、宿題でうんざり。やる気の出し方は?

やる気って、どうやったら出るのでしょうか? 学校からたくさんの課題、宿題が出されるとうんざりして億劫な気持ちがぬぐえず、なかなか手を付けることができません。焦りながら提出日ぎりぎりで徹夜してなんとかすることもあります。そんな自分が嫌になるのですが……どうすれば、課題をさくさく進められるようになるでしょうか。コツが知りたいです

計算問題や暗記系から手をつけてみて

人間の脳には、はじめは興味が持てないような作業でも、やっているうちにやる気が出てくる「作業興奮」という作用があります。ですから、課題をやる気が起きないときも、まずは5分でよいので、やってみることが大切です。

計算問題などから始めてみて

やり始めるときは、短時間でも取り組めば確実に成果が出るものから始めるようにしましょう。例えば、計算問題なら、基本の解き方がわかっていれば取り組んだ成果がゼロになることはなく、脳のウォーミングアップには最適です。英単語の暗記なら20個取り組めば少なくとも2個程度は覚えられるでしょう。日本史や世界史、地理、化学の反応式などの暗記も、やれば確実に成果につながるウオーミングアップ向けの勉強だといえます。

レポートや作文は後回し

一方、レポートや作文など、ある程度の時間をかけて考えることを求められる課題からいきなり始めようとすると、やる気が出てくる前に嫌になりがちです。こうした創造的な作業は、脳がある程度動き出した段階で取り組んだほうが効率よく進められるので、まずは計算や暗記などで脳をウォーミングアップさせてから取り組むようにしましょう。

 

吉田たかよし先生

よしだ・たかよし 医学博士・心療内科医師。「本郷赤門前クリニック」院長として、脳科学と学習医学を活用して受験生の心身をサポート。学習塾「浜学園」のホームページで、勉強法や合格を勝ち取るための食事のレシピなどの動画を公開中。
https://www.doctor-yoshida.net