受験当日、これまでの努力の成果を存分に発揮するにはどうすればよい? LINE公式アカウント「高校生新聞編集部」をフォローしている高校生読者から、脳に良い過ごし方が知りたいと質問が寄せられた。医師として脳医学の観点から受験生をケアする吉田たかよし先生にアドバイスをもらった。(安永美穂)

【質問】全力を発揮するには?
 コツコツと受験勉強を頑張っているので、受験当日は万全の態勢で臨み、実力を発揮したいです。先生がおすすめの過ごし方を教えてほしいです。

生活リズムを整える

まず伝えたいのは、受験直前期のメンタルケアは「心理的なアプローチは行わず、何らかの行動をすることで対処する」のが現実的で効果的でもある対処だということです。

メンタルトレーニングには、気持ちをコントロールする方法を用いるものもありますが、それらは専門家の指導のもとで学んでいく必要があり、受験生お一人で受験直前期に短期間で身につけられるものではありません。受験直前期は「行動や生活リズムを改めることで心を整える」ということを覚えておいてください。

家族や友人と話をしてリラックス

受験当日に心を整えるためにできる行動としては、朝、起きたら軽い体操やストレッチなどをして体をほぐし、朝食はできれば一口あたり20回程度、よくかんで食べることを心がけましょう。

朝食をよく噛んで食べよう

試験場に行くときは背筋を伸ばし、空を見上げるような姿勢を意識して歩くと、うつむいて歩く場合と比べると気分がかなり前向きになるはずです。また、当日の朝に家族や友人と話ができると、脳のコンディションを整えることもできますし、不安が暴走してしまうのを防ぐ上でも効果的です。

会話で脳のコンディションが整う

試験会場には早めに到着を

慌てずに試験に臨めるようにするためにも、試験場には早めに到着できるよう、時間に余裕を持って家を出ることも大切です。可能であれば、試験場は事前に下見をしておき、早く到着した場合に時間をつぶせそうなコーヒーショップなどの場所も調べておくとよいでしょう。

 

吉田たかよし先生
 よしだ・たかよし 医学博士・心療内科医師。「本郷赤門前クリニック」院長として、脳科学と学習医学を活用して受験生の心身をサポート。「受験うつ」「受験燃え尽き症候群」などの治療に取り組んでいる。「本郷赤門前クリニック(吉田たかよし院長)」HP
http://www.akamon-clinic.com/

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