指定校などで合格した友達の姿を見るとイライラ……、それは自然な心の反応だ。LINE公式アカウント「高校生新聞編集部」をフォローしている高校生読者から、先に合格した友達に嫉妬すると悩みが寄せられた。医師として脳医学の観点から受験生をケアする吉田たかよし先生に、友達との付き合い方を聞いた。(安永美穂)

お悩み:先に合格した友達をねたんでしまう

 周りの友達が総合型選抜や学校推薦型選抜で先に合格しました。私は一般選抜で受験します。楽しそうに話す様子を見るとうらやましくて、つらくて、いたたまれなくなります。なんだかイライラすることも……。受験が終わった友達とはどう付き合えばよいでしょうか。

友達との比較は脳に悪影響

友達と自分を比較すると、友達が自分よりも良い状況にあれば「こんな自分はダメだ」と落ち込んだり、相手をうらやんだりすることになってしまいます。友達がどんな状況にあるかは、自分ではコントロールできないことです。自分の意思でコントロールできないことについて考え続けることは、脳にも精神面にも悪影響を及ぼすため、友達と自分を比較する機会を減らすことが大切です。

脳のためにも誰かと自分を比べるのはやめたいところ

これは先に合格を決めた友達に対してだけではなく、これから受験する友達についても言えることで、勉強の進み具合や模試の判定などを友達と比べることはやめましょう。

To Doリストで思考を上書き

友達と自分を比較してしまいそうになったら、それとは別の自分でコントロールできることを思い浮かべて、思考を上書きしましょう。「これから30分でこの英語長文を読む」といった、自分の意思でコントロールできることをTo Doリストのように書き出してみると、脳はそれらのことについて考えるようになるため、「先に合格を決めた友達がうらやましい」といった思考からは距離を取れるようになります。

友達に協力してもらい距離を取る

先に合格した友達に対しては、「自分は一般選抜に向けた勉強を頑張っているところで、合格を決めた人と一緒にいると心理的にさまざまな影響を受けてしまう」ということを説明して、しばらくはSNSなどでの連絡はしないでもらうようにお願いしてみるのも一つの方法です。

楽しい約束をしよう!

それが難しい場合は、「3月の何日に一緒にあのテーマパークに行こう」というように受験が終わった後の具体的な遊びの計画を決めておくと、今は受験勉強に集中したいけれども友達づきあいをやめたいわけではないということは伝わりますから、気まずくならずにすむのではないでしょうか。

 

吉田たかよし先生
 よしだ・たかよし 医学博士・心療内科医師。「本郷赤門前クリニック」院長として、脳科学と学習医学を活用して受験生の心身をサポート。「受験うつ」「受験燃え尽き症候群」などの治療に取り組んでいる。「本郷赤門前クリニック(吉田たかよし院長)」HP
http://www.akamon-clinic.com/

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