口内炎ができると食事がしづらく憂うつになる…。耳鼻咽喉科が専門の松根彰志先生に口内炎を早く治す方法を聞いた。(野口涼)
Q. 口内炎を早く治したい。できることはありますか?
A. 食事によって唾液の分泌を促すことが大切です。
食事の30分前に薬を塗ろう
口内炎ができたとき、痛みで食事をとりにくいと治りが遅くなります。
理由は唾液が出ないから。唾液は口内に細菌が入ってくるのを防ぎ、清潔に保つ働きがあるのです。
唾液の分泌を促すためにも、痛みで食事がとれなかったらすぐに耳鼻咽喉科を受診し、適切な薬をもらいましょう。
口内炎の薬には軟膏や貼り薬があり、どちらにも傷を治し、痛みを抑える効果があります。口内炎が複数箇所できている場合は軟膏がおすすめ。
食事の30分ほど前に塗るとほどよく広がり、傷をコーティングしてくれます。早く塗りすぎると食事の前に剥がれてしまうので注意しましょう。
口内炎を繰り返す人もいますが、原因はわかっていません。疲れやストレスをためない、バランスのよい食事をとるのが基本。うがい薬などで口の中を清潔に保つことも大切です。
危険な病気のサインであることも
口内炎は舌癌など危険な病気のサインとして出ることもあります。自己診断は禁物。
食事ができないとき、なかなか治らないときは早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
なお、口の中を噛んでしまってできた「血豆」は、自分でつぶすと感染を起こす可能性があります。放置しないで病院で見てもらいましょう。
まつね・しょうじ
日本医科大学耳鼻咽喉科教授。日本医科大学武蔵小杉病院耳鼻咽喉科部長。日本耳鼻咽喉科学会・日本気管食道科学会・日本アレルギー学会専門医。