辛い鼻水や鼻づまり、目のかゆみをもたらす花粉症。対策や治療法を耳鼻咽喉科が専門の松根彰志先生に聞いた。(野口涼)

Q.スギやヒノキ、その他の花粉症には、それぞれ症状に違いがありますか?

A.症状はくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみで、大きな違いはありません。

「スギよりヒノキのほうが、喉の症状が強い」と言う医師もいますが、どちらも主な症状はくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみで大きな違いはありません。

ただし、同じアレルギー性鼻炎であるダニアレルギーに比べると、目のかゆみは花粉のほうが強いようです。また、花粉症の症状は皮膚のかゆみとして出ることもあります。

国・地域によってはイネ、ブタクサによる花粉症も

実は、花粉症は日本だけにあるわけではありません。日本ではスギ・ヒノキが中心ですが、ヨーロッパではイネ科がメイン、北米ではブタクサの花粉症が一般的です。

日本でも初夏にイネ科、秋にブタクサの花粉によって症状が出る人もいます。また、北海道と沖縄にはスギによる花粉症はありません。

こうした国や地域による違いは、主に植生によるもので、症状はほぼ同じ。

ただし熱っぽい、だるいといった症状は主にイネ科の花粉症で、目のかゆみはスギ花粉で出ることが多いようです。

まつね・しょうじ

日本医科大学耳鼻咽喉科教授。日本医科大学武蔵小杉病院耳鼻咽喉科部長。日本耳鼻咽喉科学会・日本気管食道科学会・日本アレルギー学会専門医。