激しい下痢に嘔吐(おうと)をもたらす、ノロウイルスやロタウイルスによる感染性胃腸炎。予防や対策方法などを消化器内科医の山岸征嗣先生に相談した。(野口涼)

Q.ノロウイルスなどの感染性胃腸炎になってしまったらどうすればいいですか?

A.しっかり水分をとって体を休めましょう。

下痢止めを使う場合は最小限に

しっかり水分をとって、体を休めることが一番です。「下痢がひどくなりそうだから」と水分を控える方がいますが、やめてください。必ずしも病院にかかる必要はありません。体の中に入ってしまった菌が体外に出るのを待つしか、できることはないからです。病院を受診すると、整腸剤を処方されることが多いです。

 

下痢止めは、飲むと菌が体に残ってしまい、症状が長引くのでNGです。ただし、なんらかの理由でどうしても下痢をとめたい事情がある場合は医師に相談してください。

脱水のサインは唇の乾き

症状が出ている間、気をつけなければならないのは脱水を防ぐこと。唇が乾燥したり、おしっこの量が減ったりしているかが目安です。常温の水や、できれば経口補水液を十分にとる必要があります。嘔吐(おうと)。下痢がひどくて自力で水分がとれず脱水が進む場合は、すみやかに病院を受診しましょう。点滴してもらうと脱水が改善します。

食べ物は無理にとる必要はありません。食欲がある場合はおかゆやうどん、卵、柔らかく煮た野菜など、消化がよく栄養価の高いものを食べるといいでしょう。

山岸征嗣先生

 

やまぎし・せいじ 医療法人社団めぐみ会自由が丘メディカルプラザ消化器内科医師。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医。