激しい下痢に嘔吐(おうと)をもたらす、ノロウイルスやロタウイルスによる感染性胃腸炎。予防や対策方法などを消化器内科医の山岸征嗣先生に相談した。(野口涼)

Q.家族がノロウイルスに感染しました。何に気を付ければよいですか?

A.体力があれば患者が吐しゃ物を片付けるのが理想です。ハイターがなければぬれタオルで。

汚物の処理には細心の注意を

家族や学校の友だちなど、身近な人が感染性胃腸炎になってしまったら、汚物などの処理には細心の注意を払う必要があります。ノロウイルス、ロタウイルスはハイターなどの塩素系殺菌剤で殺菌できますが、実際には塩素系殺菌剤がなかったり、使えない場所だったりすることも多いはず。汚物はぬれタオルでしっかり拭きとり、拭き取ったタオルは捨てるのが賢明ですね。家庭では使用後のタオルを殺菌しきることが難しいからです。ノロやロタは、アルコール除菌は効きません。

 

汚物は乾くと舞い上がり、それを吸い込むと感染する危険があります。汚れたタオルはビニール袋に入れ、口をしっかりと閉じることも大切です。吐いた人自身の体力があれば、本人が片付けることが理想です。周囲への感染リスクを減らすことができます。

山岸征嗣先生

 

やまぎし・せいじ 医療法人社団めぐみ会自由が丘メディカルプラザ消化器内科医師。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医。