高校生世代の女子にとって生理痛や冷え性は身近な悩みだ。対策や病院を受診すべきタイミングについて産婦人科が専門の加藤聖子先生に聞いた。(野口涼)

Q.産婦人科に来る高校生はどんな症状が多いですか?

A.月経のトラブルが多いです。性感染症も増えてきています。

月経不順を見過ごさないで

高校生の受診で多いのは、やはり月経のトラブル。日常生活が送れないほどの痛みがある「月経困難症」のほか、月経不順や不正出血(生理ではないのに血が出る)で受診した高校生に子宮内膜症や卵巣腫瘍が見つかることもあります。気になることがあれば、早めに受診するようにしましょう。月経不順の場合は2カ月以上ないとき、反対に月に3回以上あるときが受診の目安です。

 

高校生世代の性感染症が増加中

また、最近高校生に増えているのが、性器クラミジア感染症(おりものの増加)、尖圭(せんけい)コンジローマ(外陰などにイボができる)などの性感染症です。異臭がする・酒かす状や黄色のものが出るといったおりものの異常や、かゆみ、痛み、イボのようなものが触れて違和感があるなど外陰の異常を感じたらすぐに受診すること。クラミジアは無症状のまま気づかれないこともあります。性感染症は放っておくと不妊症につながることもあります。

婦人科に関わる病気は、学校などで行う通常の健康診断では貧血くらいしかわかりません。特に性交の経験がある場合、定期的に婦人科検診を受けてほしいです。特に子宮頸(けい)がんは性交によるヒトピローマウイルスの感染が原因となるため、子宮頸がん検診は必ず受けるようにしましょう。

 

加藤聖子先生 

かとう・きよこ 九州大学大学院医学研究院生殖病態生理学分野(産科婦人科)教授。