勉強に部活、課外活動…高校生の毎日は忙しい。人気ダンス&ボーカルグループ「GENERATIONS from EXILE TRIBE」のメンバーとして活躍する片寄涼太さんに高校時代を振り返ってもらい、活動を両立するこつを教えてもらった。
(取材・高校生記者=七條みちる、構成・中田宗孝、撮影・幡原裕治)

根が負けず嫌い

――どんな高校時代でしたか。

高校1年の時、EXILEさんに憧れてボーカルオーディションに応募を決め、全力を注いでいました。そのせいか、学校の成績が落ち込んで、先生に呼び出されてしまって……。でもオーディションを言い訳には絶対にしたくなくて、「夢実現のための努力も勉強も両方やってやろう」と決意したんです。根が負けず嫌いなんです。当時から「自分のことは自分で責任を持つ」と心に決めていました。

――芸能界への不安は?

意外に思うかもしれませんが、当時は「いつでも辞めてやる」「諦めてやる」という気持ちで夢を追っていました。「諦めたくない」という本心とは真逆な考えをすることで、自分自身を少し許してあげると、案外頑張れたりするものなんです。「……じゃあ、もうちょっとだけやってみるか」なんてね。

かたよせ・りょうた 1994年8月29日生まれ。大阪 府出身。俳優として、ドラマ「3年A組-今から皆さん は、人質です-」などに出演。7人組ダンス&ボーカル グループ「GENERATIONS from EXILE TRIBE」のメ ンバー。同グループは、映画「午前0時、キスしに来てよ」の主題歌「One in a Million-奇跡の夜に-」を担当。
ヘアメイク・隈崎晋哉 スタイリスト・吉田宗平(SIGNO)

本音で意見を交わす

――グループの一員として大切にしていることは?

グループでの僕は「バランス」を大事にしています。メンバー個々の意見や目標を認め合いつつ、グループとしての輪を大切にしたい。その意識をメンバー全員が持っていないと、グループのバランスは崩れてしまいます。意見が食い違えば本音で話し合い、お互いを理解し合い、一丸となって目標に向かう。それがすごく強いチームをつくるこつだと思います。

表情やせりふは自然体で

――主演映画「午前0時、キスしに来てよ」では、国民的スターの役ですね。

(スター特有の)どんな状況でも余裕あるたたずまいは常に意識しました。あとは、自然体ですね。橋本環奈さん演じるヒロインからあふれた笑顔に対して、こちらも自然に笑う。ヒロインの感情を素直に受け止めて、表情の演技やせりふを発しました。

実は僕の私服が劇中の衣装として登場します。例えば、遊園地のシーンで着ている青のインナーは、僕が普段着ているものです。他にも私物のズボンや靴を履いているシーンがあるんですよ。

――劇中ではダンスも披露していますね!

グループの時とは違う、アイドルっぽさを加えたダンスになっています。とはいえ、ちょっとした振りや動きに、うっすらにじみ出てしまう「ジェネの片寄感」も見どころじゃないでしょうか(笑)

取材後記 もうちょっと頑張ってみる

 

取材に緊張していた私でしたが、片寄さんが一つ一つの質問に耳を傾けて、笑顔で答えてくださり、笑いのある楽しい取材をすることができました。

とても仲の良い「GENERATIONS from EXILE TRIBE」の皆さん。片寄さんがグループ活動で大切にしていることは、「バランス。お互いを認め合い、相手に寄り添うこと」。高校生活は、クラスや部活などたくさんのグループ活動があり、その中で壁にぶつかることがあります。私もこの3年間、多くの人間関係に悩んできました。まさに、片寄さんの言葉は、高校3年間の自分に寄り添える言葉だと感じることができました。自分だけではなく、少しだけでも相手の考えることで、お互いの関係もより良いものになると思います。

高校生は大人への一歩。進路について考える時期だと思います。誰しもが同じ道を進むとは限りません。私自身も心の中では、「自分では決めたことだから頑張らなくては」と思っていても、時に孤独感や道をそれそうになることがあります。そんな私に片寄さんの『「諦めてもいいや」という気持ちを大切に』というメッセージが心に響きました。たとえつらい時があっても、「もうちょっと頑張ってみようかな」と思えることにつながると教えてくださり、心が少し楽になりました。

午前0時、キスしに来てよ

 

高校生の日奈々(橋本環奈)は、周りも認める超・マジメ人間。だが実は内心、おとぎ話のような王子様との恋に憧れる少女だった。そんなある日、国民的スーパースターの楓(片寄涼太)と運命的な出会いを果たす。絶対にバレてはいけない、二人の恋の行方は……? 配給:松竹。12月6日から全国公開。
©2019映画「午前0時、キスしに来てよ」製作委員会