ストレスから心に不調をきたす高校生は少なくない。心のトラブルの対処法を、心療内科医の河合啓介先生に聞いた。(野口涼)

Q. 心が不調なので、心療内科や精神科の受診を考えています。違いはあるの? 病院の選び方は?
A. まずは養護教諭やスクールカウンセラーに受診先を相談するとよい。

 

 

統合失調症やうつ病などの気分障害、不安症、発達障害、適応紹介、依存症、拒食症、過食症などの診療を行うのが精神科。ストレスなど心理社会的要因で悪化した内科系疾患(気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、過敏性腸症候群、糖尿病、肥満症、高血圧など)や、拒食症・過食症、慢性の疲労感、原因のはっきりしない持続的な痛みなどを診療するのが心療内科です。

違いはあまりないことも

実際には両者に重なる部分も多く、違いはあいまいなことも多い。ざっくりと精神科医・心療内科医といっても医師にはそれぞれ細分化された専門分野もあります。受診先を選ぶ際は、養護教諭やスクールカウンセラー、県の精神保健福祉センター、地域の保健所などに相談するといいでしょう。

なお、精神面を取り扱う医療機関の多くは、予約制になっています。電話で予約する際は自分の症状を伝え、受診可能か確認すること。未成年の場合は保護者の同伴が求められることもあります。

厚生労働省が、全国各地域にある精神保健福祉センターリストを公開しています。相談のコーナーが記載されていますので、受診先の相談をすることが可能です。
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/mhcenter.html

河合啓介先生

 

かわい・けいすけ 日本心療内科学会理事。国立研究開発法人国立国際医療研究センター国府台病院心療内科診療科長。