ストレスから心に不調をきたす高校生は少なくない。心のトラブルの対処法を、心療内科医の河合啓介先生に聞いた。(野口涼)

Q. やせていないとつらいです。食べ物を摂るのが怖いと感じます。これって摂食障害なのでしょうか?

A.いつも体重や食べ物のことを考えていたら要注意。

 

 

体重や体形へのこだわりの程度によります。高校生には家族や友人、勉強、将来のことなど、大切なことがたくさんあるはず。それらに対する興味がなくなり、一日中体重・体形や食べ物のことばかり考えるようになったら摂食障害に近づいているのかもしれません。

「急激に体重が減る」「一日何度も体重を測る」「一人で隠れるように食事を取る」「食べ物がゴミ箱に捨ててある」といったサインに、周囲の人も気をつける必要があります。

まずは食生活を形から整えてみる

摂食障害になりかかっていると感じたら、まずは食生活を「形から整える」こと。食べたくなくても3食きちんと食べる、過食を減らすには、食べる場所は食卓に限定することなどからはじめるといいでしょう。次第に脳の働きが正常化してきます。落ち着いてきたら、ストレスと食事の関連性を考えてみることも良いかもしれません。

引きこもりにつながったり、時には命に関わることもあったりする摂食障害。自分ではどうにもならないと感じたら、速やかに心療内科・精神科を受診しましょう。摂食障害専門の病院、入院施設などもあります。

河合啓介先生

 

かわい・けいすけ 日本心療内科学会理事。国立研究開発法人国立国際医療研究センター国府台病院心療内科診療科長。