高校生から寄せられた悩みに対し、高校でスクールカウンセラーを務める公認心理師・臨床心理士の斯波涼介さんにアドバイスしてもらった。(安永美穂)(安永美穂)

お悩み→誰かが悪口を言っていると、「自分のことを言っているのでは」と不安

私は聴覚過敏があり、周りの人の話し声や、ちょっとした音がとても気になってしまいます。教室移動で誰かが後ろを歩いていれば、私の悪口を言ってるんじゃないかなと不安になることも。学校で居場所がないので、他の人が愚痴をこぼしているのを見ると、自分にはそれを言える人もいないと落ち込んでしまいます。「気にするな」という精神論では、もうどうにもできない状態です。何か対処法があれば教えてください。(高校3年)

A. スクールカウンセラーに相談して、自分の安全地帯を探そう。

病院で聴覚過敏の診断を受けているのであれば、その特性は気の持ちようで変えられるわけではないので、「自分でどうにかしなければ」と考える必要はありません。症状に対する具体的な対処法については、医師によく相談しましょう。

ただ、「周りの人が自分の悪口を言っているのではないか気になる」「学校に居場所がないと感じる」というのは、自分自身の感じ方についての問題になります。スクールカウンセラーや信頼できる先生などに相談したり、カウンセリングを受けることをお勧めします。

自分でできることとしては、まずは校内で落ち着ける場所を探しましょう。図書室、保健室、相談室など、どこでもよいので自分が安心できる居場所を見つけられれば、そこを安全地帯として苦手なことにもチャレンジがしやすいです。そして次に、養護教諭やスクールカウンセラーなど、悩みを理解してくれる人を探していきましょう。まずは安心できる場所、次に人という順で探していくと、居場所が見つかりやすくなるはずです。

斯波涼介さん

 

しば・りょうすけ 公認心理師・臨床心理士。公立高校のスクールカウンセラー、障害者施設やカウンセリングルームなどで相談や検査の仕事をしている。