熱中症に詳しい清水敬樹先生(多摩総合医療センター)に、クーラーの正しい使い方を聞いた。(野口涼)

Q. クーラーの設定温度は28度にするのがいいって本当?

A. 設定温度と室温は異なる。

 

室温が28度になるようクーラーを設定

「エアコンの設定温度は28度に」。皆さんもそんな言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。これは環境省が「冷房時の室温28度」を推奨しているから。しかし、「設定温度28度」と「室温28度」は異なります。いつも冷房の温度設定を28度にしなければならないのではなく、部屋の温度が28度になるように、冷房の設定を調節する必要があるということなのです。 

部屋には温度計を置き、実際の室温に合わせてエアコンの設定温度を変えるようにしましょう。同じ部屋でも場所によって温度は違ってくるため、クーラーをかけつつ、扇風機を回して部屋の中の空気を循環させるのがおすすめです。

遮光カーテンを利用しよう

日当りのいい部屋、とくに西日の当たる部屋は、壁が熱を吸収し、夜になると放散するため暑くなりがち。鉄筋の建物ではその傾向がより強くなります。そういった場合は早めにクーラーを付け、部屋を冷やしておくといいでしょう。遮光カーテンやすだれで日中の日差しを遮るのも効果的。入眠時、よっぽど暑くなければ、クーラーはお休みモードにできれば理想的です。

 

清水敬樹先生

しみず・けいき 東京都立多摩総合医療センター 救命救急センター長。日本救急医学会の熱中症および低体温症に関する委員会委員長を務める。