新しい環境での出会いが増えるこの時期、友達関係のことで悩んだら、どう考えて対処していけば良いのだろうか。「認知行動療法」の専門家である千葉大学大学院医学研究院の清水栄司教授に聞いた。(安永美穂)

Q. 話すことが得意ではなく、会話が途切れてしまうのが怖いです。

A. 「話し続けなければ」と考えずに、沈黙を楽しむ余裕を。

 

「会話が途切れないように話し続けないといけない」と、自分に高いハードルを課す必要はありません。ひっきりなしに話しかけられると「うるさい」「疲れる」と感じる人にとっては、会話に少し間があった方が心地よいこともあります。

フランスでは会話が途切れることを「天使が通る」と言うこともあるそうですが、沈黙を楽しむ余裕を持てるといいですね。

そもそも、会話が続いているように見える人たちも、常におもしろい話をしているわけではありません。話題選びに関しては、先生や宿題についてなど相手との共通点があることを選んでもいいですし、その日の朝にテレビやネットニュースで見た話題の中から「今日はこれをネタにしよう」と決めておくのもよいでしょう。

 
清水栄司教授
しみず・えいじ 千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学教授。精神科医として、主に不安症やうつ病などの治療を担当。『ぐるぐる考えてしまう心のクセのなおし方』(大和書房、税抜1400円)など著書多数